ムンバイー・ローカル、一秒一刻を争う「ある事態」で運行遅延

 

Posted on 21 Jan 2019 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

よく分からない力に突き動かされて、周囲が見えなくなってしまうようになる前に。写真は「釜山のローカル」、釜山メトロ(地下鉄)の駅校内にて(2018年12月25日)。



英領時代の1853年に開通し、「ローカル(Mumbai Local)」という愛称で親しまれ現在も1日に760万人が利用する市民の重要な足、ムンバイー郊外列車(Mumbai Suburban Railway)
当然ながら日本と同様に、定時運行を要としている、このローカルが、ある「珍客」を救出するために運行を一時停止する事態に陥ったことを、「The Times of India」が伝えていた。

Western Railway halts peak hour services to save pigeon - The Times of India

事件は今月16日、まだまだローカルのラッシュ時間のただ中にある時間帯の午前10時ごろ、ゴーレーガーオン(Goregaon)駅の北端で、架空電路に引っ掛かった糸から、怪我をした鳩がぶら下がっているのを、副駅長が発見したことを発端とする。

副駅長は「一刻の遅れも許されない状況」に、直ちに消防署と架空電路担当の技師に通報した。
そして鳩を速やかに救助すべく、ゴーレーガーオン駅を通過するウェスタン・レイルウェイ(Western Railway)当局に午前10時28分より数分間、架線への通電を切るように依頼したのだった。
おかげで消防隊員は傷ついた鳩を速やかに糸から解放し、救出することに成功した。

鳩はその後、近くの野鳥保護センターに持ち込まれて応急処置と必要な治療を受けている。

実はこの手のストーリーには前例がある。
昨年11月には、同じくウェスタン・レイルウェイのヴィレ・パールレ(Vile Parle)地区にある高架橋で、子猫が梁の間に引っ掛かって出られなくなっているところを、鉄道職員が5日間かけて救出したという事件が発生していた。

「取引先の商談に1分1秒の遅刻も許さないこと」と、「鳩を助けるための列車の運行遅れを受け入れること」。
これらは、究極の選択となり得るのだろうか。

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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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