ハイダラーバード出身、MBA持ちのインテリなイケメン運転手モハンラージュさんの物語
Posted on 22 Jan 2020 18:33 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh
モハンラージュさんも、こんな日本人に自分の身の上をベラベラしゃべってしまったばかりに、今ごろブログのネタにされているなどとは夢にも思っていないだろうな。
モハンラージュさん、30歳(推定)。
狭い運転席から持て余し気味の長い脚と、ハンドルを握る大きな手、長身でたくましい肉体、そして振り返るとまばゆく輝く真っ白な歯が印象的な、くしゃっとした満面の笑みがチャームポイントのハンサムだ。
マイソールへの日帰り旅で、旅行会社 @Trodly のタクシーを利用した際に来てくれて我々に1日付き合ってくださった運転手さんだ。
我々はカンナダ語はまったくできないので、朝の挨拶から始まり、ところどころで挟む会話はすべて英語だったのだが、やたら流暢で綺麗に話すので気になり、つい色々と質問してみたところ、部類の話し好きと見え、ご自身のことをいろいろと教えてくれた。
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出身はハイダラーバード、現在も実家があります。
バンガロールに出て来て、もう4年半になるでしょうか。
だからもうこの街のことは、いいところも悪いところも、知り尽くしていますね。
そうです、母語はテルグ語ですが、カンナダ語なんか分からなくても大丈夫ですよ。
Military Public Schoolでヒンディー語も英語も学んでるし、国民は誰もが、教育さえきちんと受けていれば国中どこへ行っても不便なく生活できるようになっているんです。
それがインドの素晴らしいところだと思いませんか。
父は陸軍所属の軍人で、現在はシュリナガルに駐屯しています。
定年まで、あと5年ほど残っているでしょうか。
私も父のような軍人になりたかったのですが、若いころは今と違って貧弱な体格だったもので、残念ながらなかなか身体検査に合格できなかったんです。
そのうち25歳になって、受検資格を失ってしまいました。
だから地元の大学に進学してバンキングとファイナンスのMBAを取得、今はカナダへの移住に向けて準備中です。
ケベック州かトロントに行きたいですね。
なぜって?
見聞を広めるためですよ。
特に寒い地域で、人々がどのような仕事をしているのか興味がありますね。
なぜ運転手の仕事をしているのかって?ハハハ。
バンガロールに出てきたのは一般企業に就職したからなのですが、夜勤が身体に堪えて体調を崩しましてね、辞めて今の旅行会社に転職したんですよ。
月に4~5回は、バンガロールとマイソールを往復してます。そう、ほぼ毎週ですかね、フフフ。
その他、バンガロールから陸路で人気の旅行先は、クールグ(Coorg)とかウーティー(Ooty)、カルナータカやタミル・ナードゥにまたがるコーヒー農園や野生生物保護区などがあります。
次回バンガロールを訪問される時にはぜひ、お時間を取ってこうしたところを巡られてください。
マンガロールやカリカット、チェンナイにだって運転して行きますよ。
ナンバープレートが商用車の黄色じゃない、ハイそこは突っ込まないでいただければ(笑)。
彼女などはおりません。
モーディー首相は支持しています。
日本ですか、「the land of the rising sun」ですよね?
私の知ってる日本と言えば、1960年代の古い映画、「Love in Tokyo」ぐらいでしょうか。
ほぉ、「Sayonara」とは、そんな意味だったのですね。
へぇ、私の出身地ハイダラーバードのIIT(インド工科大学)は、日本政府の協力により建ったものなのですね。
確かにハイダラーバードには、たくさんの日本語学校があるので不思議に思っておりました。
日本人はほぼ仏教徒なんですよね?
え、違う?ではどんな神を信じているのですか?
無宗教の人が多い?それは結構なことですね。
宗教がなくなれば、誤解や無用な争いもなくなるのではないでしょうか。
「バーフバリ」?ええ、もちろん知ってますとも。
なんと、日本でそんなにも人気だったとは!
ええ、スッバラージュも、ラーナー・ダッグバーティも知ってますけど、ふ~ん、彼らが日本にも行ったんですね。
わお、日本人が続々とハイダラーバードへやって来て、「ラモジ・フィルムシティ」とかプラバースの家とかを「巡礼」していると?
日本にはテルグ語の教科書まであって、みなさん勉強されていると?
それは全然知りませんでした、とてもおもしろいですね!
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モハンラージュさんはさすが高い教育を受けた人だけあって、客とのやり取り全般に必要な基本的マナーを守っていることは当然として、会話の質も高く、自分の言いたいことだけをまくし立てるようなことは決してなく、相手の反応を見ながら教養あるキャッチボールを返してくださる、優しく誠実そうな性格が垣間見えるところがますます好印象だった。
ただし、ハイウェイを高速道路並みの120キロで飛ばす爆走ぶりは、しばしば肝を冷やし、「バジャン」を車内BGMとして流すよりも、スローダウンした方が確実な交通安全につながるのではないかな、とは申し添えておいた。
日本の食べ物にも興味津々のモハンラージュさん。
ちなみにノンベジである。
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Yoko Deshmukh
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インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
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