インド人の平均寿命と、女性の伸び率鈍化
Posted on 01 Oct 2019 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh
同じ国民でありながら、受けられる医療サービスも、どこに住んでいるかで大きなバラつきがあります。
インド全土で男女ともに平均余命は向上しているが、都市住民を含めて女性の伸び率が男性と比較して鈍いという調査結果を、「Business Standard」が報じた。
Lifespan of Indian women living in urban areas depleting, shows survey
最近発表された報告書によると、2013〜2017年に実施された最新の調査で、インド人の出生時の平均余命は2012~2016年の68.7歳から2013~2017年は69歳と、順調に伸びている。
うち、同じく2013~17年における女性の出生時平均余命は70.4歳と、同時期の男性の67.8歳より3年ほど長い。
州別ではケーララ州が最も長寿で出生時平均余命は75.2歳であるのに対し、最も短いのはウッタル・プラデーシュ州の65.0歳となっている。
一方で、(テーランガーナー州からの)分離前のアーンドラ・プラデーシュ、およびウッタラーカンド、ジャールカンドでは、前回期間2010〜2014年と比較して、女性の平均寿命が75.2歳から73.4歳と短くなっている。
また、過去3年間の男性平均余命の伸びは平均1.5年だったのに対し、女性は6〜7カ月に留まった。
10年ごとに国勢調査を実施している、インド戸籍本署(Registrar General of India)以下の「サンプル戸籍登録制度(Sample Registration System、SRS)」による調査が明らかにした。
ただし数値には、まとまったデータが入手できないとしてデリーとジャンムー・カシミール州の状況は含まれていない。
医療や衛生の向上を反映し、都市部の平均余命はこの100年間、順調に伸びている一方で、都会特有のストレスや、特にスラム生活者のデング熱などの罹患などを要因として、ここ数年は特に女性が伸び悩んでいる。
また男性の平均平均余命は女性より3年ほど短いものの、この数年、男性の平均寿命の伸び率は女性の2倍ほどとなり、徐々にその差が縮まっている。
なお、インド人口統計局(Population Council of India)では、生後28日以内の新生児死亡率と、生後1年以内の乳児死亡率が、全体の平均余命の長さに大きく影響しているとも指摘している。
この点を考慮に入れると、インド人男女の出生時平均余命は69歳、および1歳時の平均余命は70.8歳となっている。
依然として農村部では女児を軽視し、十分な栄養を与えられずに亡くなる事例があとを絶たないこともそのひとつとして挙げられている。
なお、平均余命の向上が最も顕著だった州はアッサム、マッディヤ・プラデーシュ、オディシャ、反対に最も鈍かったのはウッタラーカンド、パンジャーブ、チャッティスガルだった。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
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