日本人と顔立ちがよく似た「セブン・シスターズ」北東部の女性、人種差別に立ち上がる
Posted on 18 Mar 2017 23:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh
北東部の人たちの問題は、わたしたち日本人にも身近なものだと考えたほうがよさそうです。
※ちなみにここはユーラシア大陸最西端、ポルトガルのロカ岬。
2016年11月5日撮影。
インド北東7州、すなわちアッサム、アルナーチャル・プラデーシュ、メガラヤ、ミゾラム、シッキム、ナガランド、マニプールは「セブン・シスターズ(Seven Sister States)」と呼ばれていて、バングラデシュ、ブータン、ネパール、中国、ミャンマーに囲まれ、インドの大部分からやや切り離されたような位置関係にある。
昨年、日本からの帰りにバンガロールを訪れて、15年来の旧知の間柄となったTさんと楽しく食事をして、ホテルにまで送っていただいた道中で、「最近、この街で北東部出身者に対する人種差別や暴力行為が頻発しているそうだから、あなたも外出する時には気をつけて」という注意を受けたことがあった。
悲しいことだが、インドでも云われなき人種差別をする人たちがたくさんおり、しばしばその標的は、顔立ちも体格も、肌の色も若干異なり、「チンキー(Chinky)」などと罵倒される北東部からの移住者に向けられる。
そう、彼らはわたしたち日本人に、とても顔立ちが似ていて、あまり教養がない人たちにとっては、こういったモンゴロイド系の顔立ちの人たちは一括りに「中国人」ということになるようだ。
わたしも道を歩いていると、たびたびネパール人か、韓国人、中国人か、などと見知らぬ人に問われる。
そうなってくると、「別に何人でもいいや」という気分にもなってくる。
だから、本日付の「The Better India」では、「セブン・シスターズ」のひとつ、アルナーチャル・プラデーシュ出身でデリーに住む女性が、そうした人種差別を告発する長いコラムを綴っていたのを読んで、わたしも他人事ではないなと考え込んだ。
A Woman From the Northeast Writes a Powerful Letter Slamming Racism in India. And It Will Move You.
彼女によれば、北東部出身というだけでホテルへの宿泊を拒否されるなどしたことがきっかけで、「自分はどこに属するのか(自分の『家』はどこなのか)」ということを考えるようになった。
記事によれば、デリーやバンガロールでは、北東部出身者たちに対する暴行事件が相次いでおり、2014年10月には、バンガロールの工科大学に通う北東部出身の学生が、「カンナダ語をしゃべらない」というだけの理由で殴られるという事件が発生している。
このほかにも、まったく理由もなく住んでいた部屋の大家からひどい暴力を振るわれ、住む場所を追われたり、汚い言葉を投げかけられたりするケースが後を絶たない。
おそらく、格差の広がるばかりのインド社会で、抑圧された人たちの不満のはけ口にされているのだろう。
日本でもおなじみの光景ではないだろうか。
しかしインドの最大の魅力は、その多様性にあるのに、このような事例を目にすることは本当に悲しいことだ。
それでも彼らが、「わたしたちはインド人だ」と胸を張って生きていることに、励まされる気持ちがするし、わたしも襟を正して心から見守り、応援したい。
ところで、この「Better India」の記事に添付されている女の子の写真を見て、あまりも可愛らしい顔立ちに最初、「日本人かしら」と思ってしまった。
プネーでも、数多くの北東部出身者たちが、レストランのホールや会社の受付など、接客の最前線で働いている。
女性は小柄で愛らしく、男性は細身ながら体格がしっかりしたイケメンが多くて、日本などに行ったら絶対にモテるだろうな。
そして、もちろんいつか、魅力あふれる「セブン・シスターズ」をゆっくり旅したい。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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