手話でつながる体験: プネーのIshaaraで過ごすやさしい夕食

 

Posted on 23 Apr 2025 21:00 in ASKSiddhi独断うまい店 by Yoko Deshmukh

あまりにもリラックスしすぎて、無料でいただいた「Masala Papad」しか料理の写真を撮っていなかったんです。



プネー最大のショッピングモール、「Phoenix Marketcity Viman Nagar」は、自宅から割と近いのでよく利用する。
特に現在のような、日中の気温が40度を超えるような酷暑期には、自宅で過ごすよりも空調の効いた公共空間にいたほうがエコかな、などという言い訳を作ってちょこちょこ出掛けているのである。

そんなある日、晩ご飯もモールで済ませて帰ろうかと利用したのが、こちらのお店「Ishaara」である。



 

このお店のスタッフは「8割が聴覚に障害がある」方ということで、メニューに手話(Indian Sign Language、ISL)が記載されていた。
ISLはインド国内で広く使用されている手話で、独自の文法と語彙を持つ。
国際会議などで使用される国際手話とは異なり、インドの文化や地域言語に根差した手話である。
政府機関ISLRTCが辞書や教材の開発を行っており、ISLの普及が進んでいるという。
参照: Indian Sign Language Research and Training Centre、ISLRTC

チキンとホウレンソウの煮込みと、バスマティライス、バターナーンを注文した。
※うっかり注文した料理をメモるのを忘れていて申し訳ない。

料理の値段設定は若干高めではあるものの、相応のおいしさであった。
わたしたちのテーブルを担当してくださった店員さんは、何よりも笑顔がすてきで、きっちりアルコール類やデザートのプロモーションも欠かさなかったものの、独特のリラックスした雰囲気が楽しめた。

インド手話(Indian Sign Language、ISL)について
インド手話(ISL)は、インドにおける聴覚障害者のための主要な手話言語で、特に都市部や教育機関で広く使われている。
ISLは英語やヒンディー語などの音声言語とは独立した、独自の文法体系と語彙を持つ言語となっている。

使用人口としては、およそ150万人以上がISLを第一言語または第二言語として使用しているとされている
参照: Indian Sign Language Research and Training Centre、ISLRTC

上記のISLRTCは2015年にインド政府が設立した教育機関で、ISLの標準化、普及、教師の育成などを推進している。
(※2015年9月28日に社会正義・能力開発省(Ministry of Social Justice and Empowerment)傘下の障害者能力開発局(Department of Empowerment of Persons with Disabilities)のもとで設立)​

ISLRTCは、インド手話(Indian Sign Language、ISL)の研究、教育、通訳者や教師の育成、教材の開発、辞書の作成などを目的とした自律的な組織である。
参照: Indian Sign Language Research and Training Centre、ISLRTC

国際手話(International Sign)とはまったく異なる言語体系となっている。

※下記画像はメニューより。 

 






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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