ムンバイーやコルカタも2100年までに消滅:IPCC報告書
Posted on 27 Sep 2019 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh
多くの人々が実感できるぐらいの気候の変化が、すでに起こっています。The photo from skymetweather on 26th June 2019.
国連が25日に発表した報告書によれば、二酸化炭素排出量が目標の水準まで削減できないまま2100年を迎えると、インドではムンバイーやコルカタを含む、世界中の大都市や場合によっては国が丸ごと海に沈むと警告している。
Rising sea levels may sink Mumbai by 2100: IPCC report
近年、「100年に一度」とされる災害が毎年のように起こっていることは、二酸化炭素の排出が止まらず、地球温暖化が加速していることの証しであると、気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change、IPCC)が正式に承認し、今週ニューヨークで開催された国連気候行動サミットに備え提出された報告書では述べている。
報告書によれば1970年を境に海水温は上昇の一途を辿っており、特に21世紀に入って2005年以降は、海水面が20世紀の2.5倍の速度で上昇し続けている。
このままのペースで二酸化炭素の排出が続くと、2050年までに沿岸部の大都市や小さな島国は、熱帯性サイクロンや豪雨、洪水、異常な高波などの災害に毎年見舞われるようになる。
こうした都市には、ムンバイー、コルカタ、チェンナイ、スーラトも含まれる。
特に、世界最大規模の人口を抱えるインドの金融中心都市、ムンバイーは現時点で、高潮時は海抜ゼロ未満となり、毎年モンスーン(雨季)には洪水を経験している。
温暖化が進行し、地球上の気象バランスが崩れると、海洋熱波やエル・ニーニョ、ラ・ニーニャといった気象現象の激化を引き起こし、インドの年間降水量75%を頼るモンスーンに深刻な悪影響を及ぼす恐れがある。
エル・ニーニョの影響は2015年、インド全土で経験したモンスーン期の異常少雨とこれを引き金とした大旱魃が記憶に新しい。
報告書では、地上の余剰熱の9割を吸収し、気候を安定させている海洋が、氷河やグリーンランドや南極の氷床の融解によってバランスを崩し、海水面の上昇を加速させていること、海中の酸素不足が水深1,000メートルまで達しており、海水が酸性化、絶滅の危機に瀕する海洋生物が後を絶たず、結果として水産業に従事する人々の生活に影響を及ぼし始めていることなどを指摘している。
2015年の気候変動に関するパリ協定では、インドを含む各国が批准し、産業革命以前と比較した地球温暖化による気温上昇を最大摂氏1.5~2度までに抑えると約束している。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
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