IITジョードプル校、太陽光と水から得られる安価な燃料の開発に成功か

 

Posted on 12 Nov 2018 21:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh

これが実用化されたら破壊的です。



世界でも最高峰の教育水準を誇るインド工科大学(Indian Institute of Technology:IIT)の本領はここにある。

経済成長の代償として、増え続けるインドの膨大な人口をまかなう莫大な燃料需要の陰で、大部分の燃料を輸入に頼る国として直面する通貨危機、そしてもちろん、深刻な大気汚染が待ったなしの状態だ。
政府もなすすべなく頭を抱える大きなジレンマを、インド最高の頭脳が解決しようと日夜研究に取り組んでいる。
「Financial Express」が伝えるところでは、IITジョードプル校の研究グループが、植物の光合成に着目した以来の燃料を開発した。

Cars to use sunlight & water as fuel: IIT-Jodhpur’s ‘future fuel’ inspired by Photosynthesis - Financial Express

そのひとつは水素燃料だ。
有害物質の排出がないため、電気自動車や電子機器に電力を供給できるとして注目されている。
近年、大手自動車メーカーは水素燃料を利用したエンジンの設計を開始しており、燃料電池で走るバスもムンバイーをはじめ、世界各地で試験運行されている。

現在IITジョードプル校化学部の研究チームが着目しているのは、植物の光合成を逆に辿るプロセスで、太陽光を利用して水を酸素と水素に分解する仕組みの実用化だ。

研究チームは700通りの化学触媒の組み合わせを試した結果、ランタニドを使用することで酸素元素を捕捉して純粋な水素を残し、これを燃料として活用できるかを模索している。

研究を率いたラケーシュ・クマール・シャルマ(Rakesh Kumar Sharma)教授によると、従来、水素はメタンから工業レベルで生産されているが、摂氏1,000~2,000度の高温をかける必要があるため、同じ距離を走行するのにガソリンの4倍の燃費がかかるなど、高額となっている。

今回、IITジョードプル校が発見した方法により、純粋で質の高い燃料である無酸素純粋水素を、非常に低価格で得ることに初めて成功した。
つまり水素燃料で走るクルマを開発している大手自動車メーカーにとって、大きなメリットとなり得ると同時に、インドの燃料輸入依存を30%削減する可能性がある画期的な発明とされる。

今後は大量生産開始後の実用価格を検討していくという。

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Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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