コロナ禍に包まれる世界とインドの片隅で

 

Posted on 04 Jul 2020 21:00 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh

こんな時代に生まれたこんなわたしだから、せめて見えないところでコツコツと徳を積まなければ。



若いころは「自分は不細工だしバカだから、近づいたら相手を不快にさせるかもしれない」と思って人付き合いを避けていた。
今は不細工とバカに加えて「貧乏で狭量な、残念な中年」という救いようのない要素も加わり、自分が何か言っても相手を不快にさせるどころか、聞く耳すら持ってもらえないと肝に銘じて、なるべくじっとしている。
巣ごもり(この言葉あまり好きではないが)である。

そんな人生は、つまり、周囲の人の顔色をうかがってばかりの人生は、もう終わりにしたい。
誰よりも自分を大切に、生きたい。

2020年、誰もがコロナ禍に圧倒されている。
プネーは、インドで最も影響の大きな州マハーラーシュトラの中でも大都市のため、日々感染者数が多い時で1,000人を超え、まだまだ予断を許さない状況だ。
このため、現在はロックダウン解除後の、いわゆる「Unlock」フェーズに入ったとは言え、ショッピングモールや映画館、レストランのイートインは休業が続いているし、ほとんどのオフィスも再開の見通しは立っていない。

世界中で法的強制力を伴ったロックダウンが実施され、他でもないこの混沌のインドでそれを経験してみると、21世紀がどんな時代になっていくのか、うっすらと見えて来たような、薄気味悪い感覚に陥る。

つまり一党独裁でやりたい放題の横暴ぶりが炸裂している中国や、コロナ禍以前からイスラーム教徒やジャンムー・カシミールの人々の人権を踏みにじって意気揚々としているインド、もはやOut of mindとしか表現しようのないアメリカという、3人のおめでたいジジイたちが支配する大国に限らず、各国政府は民主主義を標榜しておきながらも、いとも簡単に民衆の権利を奪えることを経験し、またその成功体験の前例を作ってしまった。
国境が、各国間の人々の往来が、為政者の意思次第で簡単に閉ざされることも知った。
わたしたちが当たり前だと思っていた「自由」は脆く崩れ落ち、実際は幻想に過ぎなかったことを痛感することになった。
「自粛を要請」している日本でも、表面は平和と自由が守られているように見えるかもしれないが、水面下の状況は似たようなものだ。

ウイルスの発生源とされる中国の政府が、対応を後手に回して世界中への拡散を許した上で、いち早くコロナを「克服」したと宣言し、一足遅れて対応に追われる近隣諸国をさまざまな形で速攻しているように見える構図も不気味だ。

究極的には、コロナ禍は「ウイルスとの闘い」を建前に、際限なく増え続け、しかも生きるために快楽を求め続ける人類を、制御し、管理するための予行演習だったのではないか、などと考えてしまうのだ。
だからこそ、もうそれほど長くは続かないかもしれない日常というものを、自分のために精一杯過ごしたほうがいい。

なお、現状に何ら役立つ情報をご提供できていない「ASKSiddhi(アスクスィッディ)」なので、せめて「在ムンバイ日本国総領事館」より日々発信されている州内の状況や州政府による措置に関する最新情報を、今後はこちらにも転載させていただきたい。

=== 以下、同掲題メールの転載 ===
※7月2日付けのメール、件名「新型コロナウイルスに関する注意喚起(当館管轄各州のロックダウン措置の継続・緩和):在ムンバイ日本国総領事館」


●6月29日,インド政府は,ロックダウン措置の更なる緩和に伴う新たなガイドラインを発出しましたが,右は大使館より先に発出された領事メールのとおりです。それを受け,当館管轄内のマハーラーシュトラ州政府及びグジャラート州政府は、それぞれの州のガイドラインを発表しました。インド政府、マハーラーシュトラ州政府、グジャラート州政府による新たなガイドラインは,本文2(1)のリンクのとおりです。なお,マディヤ・プラデシュ州政府のガイドラインはインド政府のものと同じ内容です。
●各州・各自治体で規制が異なっていますので,ご注意ください。また,かかる規制も日々更新されますので,在留邦人及びインド滞在中の皆様におかれましては,今後も各州政府・各自治体が発表する最新情報の入手に努めていただき,十分注意して行動してください。
●マハーラーシュトラ州及びグジャラート州は,インド国内でもコロナ感染者数と死亡者数が最も多い州で,感染者数及び死亡者数とも増え続けています。ロックダウンの解除に伴い,人々の移動がより自由になっており,コロナ感染予防措置を今まで以上に十分にして行動してください。
●インド政府は外国人の入国制限の緩和に関するガイドラインを発表していますが,日本外務省はインドについて「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」の感染症危険情報を発出しています。

在留邦人及び短期渡航者の皆様へ

1 6月29日,インド政府は,ロックダウン措置の更なる緩和に伴う新たなガイドラインを発出しましたが,その内容は大使館より先に発出された領事メールのとおりですので,御参照ください。それを受け,当館管轄内のマハーラーシュトラ州政府及びグジャラート州政府は、それぞれの州のガイドラインを発表しましたので,詳細は以下2(1)のリンクを参照してください。なお,封鎖ゾーン(Containment Zone)に関しては,インド保健省の通知に基づき各自治体が決定することとなっています。

2 インド政府、マハーラーシュトラ州政府、グジャラート州政府による新たなガイドライン(英文)は,以下(1)のとおりです。インド政府の新しいガイドラインでは、夜間外出禁止令が午後10時から翌午前5時まで(以前は午後9時から翌午前5時まで)の間に変更になっています。
マハーラーシュトラ州政府の新しいガイドラインの主要点は,以下(2)のとおりです。
また,特別に許可された場合を除き,国際旅客航空便の運航は引き続き停止されています。
(1)新たなガイドライン
○インド政府による新たなガイドライン(英文)
https://www.mumbai.in.emb-japan.go.jp/files/100070195.pdf
○マハーラーシュトラ州政府による新たなガイドライン(英文)
https://www.mumbai.in.emb-japan.go.jp/files/100070196.pdf
〇グジャラート州政府による新たなガイドライン(英文)
https://www.mumbai.in.emb-japan.go.jp/files/100070185.pdf
○マディヤ・プラデシュ州政府(インド政府のガイドラインと同一)
○ゴア州政府及びチャッティースガル州政府は,これまでもインド政府のガイドラインを受けたガイドラインを発出していません。
(2)マハーラーシュトラ州政府の新たなガイドラインの主要点
○オフィスの勤務体制について,ワークフォースの10%はそのまま継続されています。
○ロックダウン期間中、買い物や屋外運動等の必要不可欠な活動は、居住地付近に制限され、マスク、ソーシャルディスタンス、消毒措置などの必要な予防手段をとった上で行う。
なお、ムンバイ警察の新しい規制では、居住地より2キロメートル以内のみ移動が可能であり、居住地より2キロメートル以上の移動については、通勤もしくは医療機関受診等緊急時のみ可能としています。出勤や買い物等で外出される方は、居住地・会社等の住所が分かる身分確認証を携帯するようにしてください。今後も引き続き、不必要な外出は控えるよう願います。
○ムンバイ都市圏、プネ都市圏、ソラプール、オーランガーバード、マレガオン、ナーシク、ドゥーレ、ジャルガオン、アコラ、アムラバティ、ナーグプルにおいては、以下のとおり活動が許可される。
・必要不可欠なサービスを提供する商店以外(市場、モールを除く)は,午前9時から午後5時まで営業可
・ムンバイ都市圏内での人の移動は、生活上必要不可欠な活動及び営業活動の場合のみ可。買い物については居住地付近の市場又は商店等に限定。生活上必要不可欠な活動以外に関連する長距離移動は不可。
(3)グジャラート州政府の新たなガイドラインの変更点
○夜間外出の禁止が午後10時から翌午前5時(従来は午後9時から翌午前5時),レストラン営業が午後9時まで(同午後7時),商店営業が午後8時まで(同午後7時)となっている以外は,規制内容は従来と同じ。
(4)マディヤ・プラデシュ州政府はインド政府の新たなガイドラインと同一内容。

3 マハーラーシュトラ州及びグジャラート州は,インド国内でもコロナ感染者数が最も多い州で,インド政府によると,7月2日現在のインド国内感染者の合計は605,775例(死亡17,855例),マハーラーシュトラ州内感染者の合計は180,298例(全国に占める割合は約30%,死亡8,053例,同約45%)グジャラート州内感染者の合計は33,318例(全国に占める割合は約6%,死亡1,869例,同約10%)で,感染者数及び死亡者数とも引き続き増え続けています。ロックダウンの緩和に伴い,人々の移動がより自由になるため,ムンバイ市においては,居住地の2キロメートル以内の移動に関する新しい規制がありますが,コロナ感染予防措置を今まで以上に十分にして行動してください。

4 インド政府は,外国人の入国制限の緩和に関するガイドラインを発表していますが,日本外務省はインドについて「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」の感染症危険情報を発出しています。緊急にインドへの渡航を検討されている邦人の皆様におかれては,その必要性や時期について慎重にご検討ください。

5 在留邦人,インドご滞在中の皆様におかれては,以下の点にもご注意の上,最新情報の入手に努めてください。今般の新型コロナウイルス拡大に伴うインド政府のロックダウン措置により邦人の皆様の中で困っていることや悩んでいることがあれば,本メール末尾の当館問い合わせ先にご連絡ください。
(1)中央政府及び地方政府が感染予防のための措置を継続しており,制度が突然変更される可能性もありますので,十分注意して行動してください。
(2)在インド日本国大使館では在留邦人の皆様からの保健相談を受け付けるための窓口を設置しています。
jpemb-hokensoudan@nd.mofa.go.jp
(3)ご自身や周囲の人の感染予防のため以下の点にご注意下さい。
・密閉空間,密集場所,密接場面の3密状態を避けるとともに,周囲の人との距離を確保する。
・アルコール系手指消毒薬または石鹸と流水による手洗いを頻繁に行う。目,鼻,口などに触れる前に手洗いをする。
・咳やくしゃみがあるときはマスクを着用して鼻と口を覆う。マスクがない場合は,咳やくしゃみのときに口と鼻をティッシュなどで覆い,手洗いを行う。

(各種情報が入手できるサイト)
インド政府広報局ホームページ
https://pib.gov.in/indexd.aspx
インド保健・家庭福祉省公式ツイッター
https://twitter.com/MoHFW_INDIA
インド入国管理局ホームページ
https://boi.gov.in/
在日インド大使館ホームページ
https://www.indembassy-tokyo.gov.in/jp/index_jp.html
外務省海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/
厚生労働省ホームページ:新型コロナウイルス感染症について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
首相官邸ホームページ:新型コロナウイルス感染症に備えて
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html

このメールは,在留届にて届けられたメールアドレス及び「たびレジ」に登録されたメールアドレスに自動的に配信されております。

【問い合わせ先】
在ムンバイ日本国総領事館領事班
電話(91-22)2351-7101
メール ryoji@by.mofa.go.jp
=== 転載終わり ===


本日最も読まれている記事
購入後半年で故障したフォッシルのスマートウォッチを巡る、意外な顛末 16 Sep 2019
インド人の平均寿命と、女性の伸び率鈍化 01 Oct 2019
ユニクロ・インドが教えてくれた、新しい「サリーのグル」 28 Jun 2020
ヒマラヤの化粧水、2週間後の実感と新たな出会い 29 Jun 2020
大量の食材を青空の下で調理し、2年間で700万ルピーの広告収入を稼ぐ人気ユーチューバーになった父子 24 Aug 2018

 






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



Share it with


User Comments