デリー・メトロ(Delhi Metro)路線の64%が、およそ800キロメートル離れたマッディヤ・プラデーシュ州レワ(Rewa)に所在する太陽光発電所で生産される電力でまかなわれていることを、「世界銀行(World Bank)」が伝えていた。
60% of Delhi Metro now powered by solar energy from Madhya Pradesh
デリー・メトロは全長373キロメートル、運行する客車数290本、1日の乗降客数は260万人と試算されている。
レワには1,590エーカーの広大な土地を占める、単独サイトとして世界最大規模の太陽光発電パークがある。
うち容量の実に24%が、デリー・メトロ公社(Delhi Metro Rail Corporation、DMRC)に直接販売され、その運行に必要な電力の60%以上を支えているのだ。
これによりDMRCは石炭への依存を減らし二酸化炭素の排出量を削減できた上に、今後25年間で79.3億ルピーの燃料費を節約できるとされている。
ちなみにレワ太陽光発電所で生産された電力の残り76%は、マッディヤ・プラデーシュ州電力開発公社(Madhya Pradesh Power Management Company Ltd)に供給され、同州内の世帯に送電されている。
世界銀行グループの支援による画期的なスケジューリング運用(scheduling exercise)により、十分な太陽光の得られない日でも優先的で途切れず給電が可能となっている。
パークの発電能力は750メガワットで、インド全体の太陽光発電容量の2.5%を占める。
「太陽光発電パークの共通インフラプロジェクト(Shared Infrastructure for Solar Parks Project)」の一環として、世界銀行の「クリーン技術基金(Clean Technology Fund、CTF)」が1,800万米ドルの融資をし、毎年130万トンの温室効果ガス排出削減を目標として掲げている。
インド政府は2022年までに、再生可能エネルギーの供給能力を、現在の4倍にあたる175ギガワットに引き上げ、うち100ギガワットを太陽光発電でまかなうことを目指している。
融資したCTFでは、発電した電力が直ちに送電網に受け渡し、送電されるようにするtransmission evacuation system(電力退避システム?、仮訳)などのインフラストラクチャーを紹介している。
プロジェクトは助成金を受けずに開発されており、世界銀行グループによる持続可能性の追及を強調している。
このプロジェクトは、33時間に及ぶ透明性の高い電子競争入札プロセスにより、初年度の料金が単位あたり2.97ルピーと、太陽光発電による電力として初めて3ルピーを切り低価格を達成した点でも特筆すべきである。
州の競争入札に海外事業体が参加したのは、インドでは初めての例だった。
世界銀行ではレワのほか、マッディヤ・プラデーシュ州やオディシャ州の太陽光発電パークでも、同様のモデルを導入したいとしている。
本日最も読まれている記事
1 購入後半年で故障したフォッシルのスマートウォッチを巡る、意外な顛末 16 Sep 2019
2 ポルトガル鉄道のインターネット事前切符予約 26 Oct 2016
3 インドで今、最も需要の高い職種とは 30 Dec 2019
4 福岡のベンガル料理店、インディアンスパイスファクトリーは特別ターリーが狙い☆ 29 Dec 2019
5 2010年代よ、さようなら、2020年代ようこそ 31 Dec 2019