インドに全長1,400キロメートルの「緑の壁」植樹プロジェクト
Posted on 10 Oct 2019 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh
みんなで力を合わせて実現できたらいいのにな。
インド政府は砂漠化を食い止めるため、アフリカ大陸を東西に横断するジブチからダカールにかけて実施されている大植林プロジェクト、建設中の「緑の壁(Great Green Wall)」を模し、グジャラート州ポールバンダール(Porbandar)からハリヤーナー州パニパット(Panipat)にかけての幅5キロメートル、全長1,400キロメートルにも及ぶグリーンベルトを築く、という壮大な計画を立てている。
「The Times of India」が伝えた。
Government plans 1,400km long great ‘green wall’ of India
この計画が実現すれば、グジャラート、ラジャスターン、ハリヤーナー、デリーにまたがるアラヴァリ山脈(Aravali hill range)にまたがる大規模な植林が実施されることになり、土地の再生と、タール(Thar)砂漠から吹き付ける砂嵐の防砂林としての役割も果たすものと期待されている。
この案は国連で開催中だった 第14回気候変動枠組み条約締約国会議(COP14)の砂漠化対策会議(United Nations Convention to Combat Desertification、UNCCD)の場で提案された。
およそ10年前から始まったアフリカの「緑の壁」プロジェクトは、多数の国が関わるため遅々として進まず、依然として15%近くの緑化にとどまり、目標達成にはまだ遠い。
インドの場合はこれが国家優先事項として推進できるとして、2030年までに2,600万ヘクタールの土地再生を目指している。
ただし関係者はまだ何一つ具体的な計画について公言しておらず、あくまで案の域を出ていない。
現在、インド国土の実に29.3%にあたる9,640万ヘクタールが、農作物などの栽培が難しい状態に荒れている。
インド宇宙開発機関(Indian Space Research Organisation、ISRO)の衛星写真によると、特にグジャーラート、ラジャスターン、デリーは、5割を超える土地が劣化している。
COP14ではこのほか、ペルーとエクアドルの国境地帯に築かれた平和公園(Peace Park)を例に、韓国と北朝鮮との国境にあたる非武装地帯での森林開発を提案する声も上がった。
1,400キロメートルと言えば、プネーから昨年訪れたビハール州パトナまで、まさにインド亜大陸で少し狭まった部分の西から東までを結べてしまう距離だ。
このような計画こそ国民が団結して取り組めたらいいな。
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Yoko Deshmukh
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インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
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