相次ぐ倒産や失業、世界的に有名なスーラトのダイアモンド業界で
Posted on 22 Aug 2019 21:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh
本物と遜色ない輝きを湛える人工ダイアモンドの流通が進んでいる影響もあるのでしょうか。
ダイアモンド加工産業で有名なグジャーラート州スーラト(Surat)では、ダイアモンド需要の世界的な低迷の影響を受けて倒産が相次ぎ、失業者が急増している。
「Financial Express」が伝えた。
Gujarat diamond industry facing large-scale job issues
グジャーラート州ダイアモンド労働者組合(Gujarat Diamond Workers’ Union、GDWU)のランマル・ジラリヤ(Ranmal Jilariya)委員長によれば、2016年にモーディー政権が強行した廃貨措置と、全国統一の物品・サービス税(Goods and Service Tax、GST)の影響が、多くのダイアモンド加工業者を直撃、その後2018年から2019年にかけてダイアモンドの需要が世界的に下降したことから、数社が倒産を余儀なくされ、結果として失業者を生み出している。
ジラリヤ氏によれば現在、10万人近くの失業者が発生している。
輸出高も激減している。
スーラト近郊のダイアモンド業者が集まる経済特区、サチン特別経済圏(Sachin Special Economic Zone)では2017年度は1,600億ルピーだった輸出高が、2018年度は677億ルピーだった。
この特別経済圏のシェア7割を握っていたダイアモンド商、ニラウ・モーディー(Nirav Modi)氏とメフール・チョクシ(Mehul Choksi)氏による1,100億ルピーものカネが絡む闇融資疑惑も、スーラトのダイアモンド業界にとって大打撃となった。
一方のスーラト・ダイアモンド協会(Surat Diamond Association)のバブバーイ・グジャラーティー(Babubhai Gujarati)理事の話では、現在グジャーラート州だけで2万社のダイアモンド加工業者が操業しており、180~200万人を雇用しており、「業界は持ちこたえており、平均的な業績を維持している」と話す。
匿名の情報筋の話としては、世界的なダイアモンド需要の落ち込みにより、小規模ダイアモンド加工業者は生存の危機に晒されている。
さらに信じられないことに、ダイアモンド商人による未払いや、数千万ルピー相当の商品を持ち出し失踪するという事件も相次いでおり、スーラトのダイアモンド業界を取り巻く暗雲が改めて浮き彫りとなっている。
この記事を目にして、思わず「今ならダイアモンド価格が下がって、入手しやすくなっているのかも」などと不謹慎なことを考えてしまったのは、ここだけの話だ。
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Yoko Deshmukh
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インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
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