「ASKSiddhi(アスクスィッディ)」16周年を迎えての雑感

 

Posted on 20 Aug 2019 21:00 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh

相変わらずきれいにまとめきらず、書き殴った感じの16周年記となってしまいました。写真はナガル・ロードに沈む夕日です。



派手な展開も発展も、大きな成長もなく、淡々と続けてきた「ASKSiddhi(アスクスィッディ)」も、今年で16歳になる。

2003年8月19日、ASKSiddhiニュース第1号「ニューヨーク停電:インドレストランが食事の無料提供」

この時はまだ神奈川県相模原市の住民だったわたしたちも、この数か月後にインドに越してきて、以来はや16年だ。
そしてわたしにとってASKSiddhiは、この16年間のインドでの歩みを、いつも側で支え続けてきてくれた、かけがえのない存在でもある。

相変わらず暑いのも、体臭や悪臭、虫、不衛生な場所、投げやりな行政サービスなど苦手だし、独特の宗教的な価値観にも、風習にも、人間関係にも馴染めず、わたしとインドとの間の距離感は、16年間でさほど縮まったとは思えない。
そして相変わらず、インドのことに関してまったくの勉強不足であることも、恥を忍んで明かしたい。

ただし、頭が悪く向上心の薄く、怠惰なわたしにも、自信を持って言えることはある。

インドの美しいところを知っている。
それは観光地や偉大な人々など、見て聞いてわかる部分だけではなく、誰にも顧みられない普通の人々の葛藤、闘い、そこから絞り出すようにして得られた、わずかばかりの勇気、成果の、気の遠くなるような積み重ね。
この国の人々が、もしかしたら自分が生きているうちには日の目を見ないかもしれない諸事に対しても、明確なビジョンを持って、ひたむきに取り組み続けていることを知っている。
表面的にしかインドと関わったことがない、または関わろうとしない人が、決して体験することも、感じ取ることもできない、水面下での血のにじむような、しかし胸を打つ努力を、わたしはしっかりと見てきたし、これからも見ていきたい。

だからインドを上から目線で論じるようなことや、いとも簡単に一般論に集約することは決してしない。
そしてわたしの「インド批判」はすべて、当事者目線によるものである。

開き直るつもりはないが、インド人とも、そして現地在住の日本人や外国人とも、なかなか友人を作れないでいるのは、自信がなく、かつ共有できることが少なく、しかもそれを適当なところでやり過ごすことが、なかなかわたしにできないせいも、一因としてあるのだろう。

大成功とか、一世を風靡とか、大躍進、大昇進、大富豪、そういった派手な成果とは無縁の、淡々としたわたしの日常そしてインド人生を、これまた淡々と見守ってきてくれたASKSiddhi。
「今日も無事で」、インドとの関わりを、これからも続けていきたい。

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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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