インド独自機能を続々搭載のGoogle Map、今度は列車の現在位置や組み合わせモードの表示
Posted on 05 Jun 2019 21:00 in インド科学技術 by Yoko Deshmukh
インドではiPhoneを買う意味は、周囲に自慢したいこと以外にほとんどないんじゃないかな。写真は最新版「地球の歩き方」から「プネー」の地図です。
グーグルの地図情報サービス、「Google Maps」が、インドならではの新機能を続々展開しているという話題を、「Tech Crunch」が紹介していた。
Google Maps now allows users in India to check live status of trains, bus travel times and more
今週、アップル(Apple)が今年の開発者向けカンファレンス、「WWDC 2019」で、世界第2位のインターネット市場であるインドのニーズに合わせたソフトウェアをはじめとする、インド限定のiOS新機能をいくつか発表した。
一方、全世界で展開されているサービスをインド市場にとことん特化したらどうなるかの模範は、「グーグル・マップ(Google Map)」を見ると良い。
グーグルは3日、インドでも数億人のユーザーが愛用する「Google Maps」について、インド国内限定で利用できる3つの機能を新たに発表した。
1つ目はインド鉄道のリアルタイム列車運行状況、2つ目は国内の主要10都市での路線バス所要時間、そして3つ目は、オートリクシャーと公共交通機関を組み合わせた最善の通勤モードの提案だ。
列車の現在位置情報は、昨年同社が買収したインドのスタートアップ企業「Sigmoid Labs」の協力を得た。
「Sigmoid Labs」社は、予約した、または指定した列車の現在位置が分かるアプリ「Where is My Train」を展開しており、このアプリは現在、「Google Maps」を立ち上げなくても利用できるスタンドアロン版としての運用を続けている。
今回のアップデートにより、インドの「Google Maps」ユーザーは、出発地と目的地との間で運行する列車をすべて検索できるほか、特定の列車の現在位置をチェックできるようになる。
インドでは毎日800万人が、国内の移動や通勤のために列車を利用している。
路線バスの発着情報や所要時間の表示は、Googleが世界で初めてインドに導入するサービスとなっている。
同社によれば、現在の道路状況と路線バスの運行スケジュールを組み合わせて遅延を計算し、所要時間を正確に計算することを試みるとしている。
このサービスは現在、デリー、バンガロール、ムンバイー、ハイダラーバード、プネー、ラクナウ、チェンナイ、マイソール、コインバトール、そしてスーラトで利用できる。
通勤手段の組み合わせ(mixed-mode commute)では、オートリクシャーと公共交通機関を組み合わせた経路情報から、所要時間を予測する。
これは、目的地行きのバスが出る停留所まで、自宅からオートリクシャーで乗り付けるということは、インドの都市では日常的に行われているためだ。
Googleは「Maps」アプリが、通勤に複数の交通手段を使用できるユーザーに経路を提案できるだけでなく、その所要時間も試算できる、と説明している。
アプリはまた、ある交通手段を選択したユーザーに、別の交通手段に切り替えたほうが良い、というような提案もできる。
この機能は当面、デリーとバンガロールのアンドロイド(Android)OSユーザーのみ利用できるが、同社では徐々に対象都市を拡大すると話している。
今年に入ってから、Googleはインド国内の「Google Maps」向けに、交通渋滞や事故情報の警告、オートリクシャーでの移動時のサポートをはじめとする多くの機能を追加しており、うち一部は現在、インド以外の国でも利用できるようになっている。
また、友達や家族に現在位置を通知する機能も盛り込んでいる。
さらに今年の後半には、インドのチケット予約サービス「Redbus」と提携を結び、都市間のバス移動情報についても「Maps」で表示できるようにすると発表している。
Googleは、ユーザー数が3億人と見積もられているインドでのサービス充実、熱心に取り組み続けている。
同社はインド市場を、「YouTube Go」や「Google Station」など、他市場で展開する前の新サービスのたたき台とみなしている。
こうした取り組みにより、当然ながらGoogleユーザーはますます増えている。
これがOSとしてのアンドロイドの支配と相まって、インド国内におけるGoogleの影響力を反トラスト法に照らして摘発調査すべきとの懸念に繋がってもいる。
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Yoko Deshmukh
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インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
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