「女性はろくに何もできない」という決め付けを粉砕し、「女性だから何でもできる」世界を築く人
Posted on 02 Apr 2019 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh
義理の姪にはお仕着せながら、「贅沢な暮らしをさせてくれるリッチな夫を探すのではなく、自分の好きなように人生を送ることのできる自立を追及しよう」と話す日々です。写真はタイはサメット島のビーチから望んだ日の出です。
わたしがいまだにFacebookを閲覧する数少ない動機のひとつとなっている「Humans of~」シリーズ。
うちムンバイーに暮らす市井の人々の半生を紹介するのが、「Humans of Bombay」だ。
Humans of Bombay - Facebook
今日、何気なく投稿をチェックしていたら、心惹かれる愛らしい親子の写真と、その記事に釘付けとなった。
<要約>
1年前に、夫は娘たちを残して亡くなった。
追い打ちをかけるように、姑からは「負担になるから」という理由で家を追い出された。
傷ついたが、若くしてろくな教育も受けずに結婚し、「女にできることなどほとんどない」と言われ続けてきた私に、選択肢などと呼べるものはなかった。
それに娘たちには、「女性には何だってできる」と証明したかった。
ダーラーヴィーの一角に小さな部屋を借り、仕事を探した。どんな仕事でもするつもりだった。
ついに調理師の仕事を得ることができ、それをきっかけに似たような仕事の機会に次々とありつくことができた。
今の私は、娘たちを学校に通わせ、家計も支えている。そんなことが私にできるなんて想像したこともなかったのに!
娘たちには、私がそう思わされてきたように、自分に価値がないなんてことを絶対に感じさせたくない。
その想いだけで進んでいる。
この子たちが世間に、自らの能力を証明できる日が来るまでは、決して休まないつもりだ。
<要約終わり>
昨年のこのぐらいの時期に、インド家族のまだ若い一員を想像もつかない形で亡くした。
わたしもひどいショックを受けたが、それよりも突然、何の予告もなく大黒柱を失った夫の妹と2人の娘(わたしたちにとっては姪)たちにとって、この1年は考え得る限り最悪の精神状況であっただろう。
にもかかわらず、彼女たちは自分を見失うことなく支え合って耐え過ごし、また目の前のやるべきことを淡々と立派にこなしてきたと思う。
そして今年の半ばには、義妹と姪たちは住み慣れた街を出て、わたしたちのいるプネーで部屋を借り、再出発することになった。
専業主婦の経験しかない義妹は、自分たちの生活をまかなうため、人生で初めての仕事を探すと言う。
日本のように未経験者でも短時間からでも就きやすいパートやアルバイトの仕事があふれているわけではないので、それは簡単な道のりではないだろう。
しかし、公務員だった亡き夫の遺族年金も得られることから、義父母は自分の娘のことながら甘やかすことを嫌い、わたしたちにも「自立させるため、金銭的な支援は姪たちの教育に関わるものに限定すること」を条件として課している。
そのことを彼女たちも承知しており、ゆえにわたしたちは見守り、必要な時に支えるぐらいしかしないことになっている。
彼女たちの状況と比較して語ることはできないが、上の記事の母娘の生き様は、今のわたしたちにとって「意思さえあれば、できないことはない」と力強く語る天啓だ。
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※軽刈田 凡平さん(@Calcutta_Bombay)が引用ツイートしてくださる記事は、長い期間たくさんの方々がアクセスし続けてくれ、優しい世界が身近にあることを感じさせてくれます。
About the author
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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