路上生活しながら懸命に学び続ける少女

 

Posted on 05 Sep 2021 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

荒れる元記事のコメント欄と同様、わたしの心境も複雑ですが、少なくとも放置されないことで救われた例だとも思います。



ムンバイー南部(サウス・ムンバイー、South Mumbai)で家族と路上生活を強いられながら、諦めず勉学を続け、将来を左右する重要な共通試験である10年次試験(SSC)に合格した17歳の少女に、世界中からお祝いの資金が集まり、一家は小さいながらもアパート住まいを始めることになった、という記事を、「NDTV」電子版が伝えていた。

From Living On Footpath To House In Mumbai: A Dream Come True For Asma Shaikh

アスマ・シェイク(Asma Shaikh)さんは、いつか家族で暮らす家を持つことを夢見て、夜は街灯の光を頼りに懸命に勉強した。
父親は一家が寝食を共にする同じ路上でジュース売りをしていたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴うロックダウンの打撃をまともに食らってしまい、収入を得る手段を絶たれてしまった。

それでも大学を卒業して、収入のよい仕事に就くことで、家族の路上生活に終止符を打ちたいとひたむきに努力するアスマさんの姿を、2021年7月に英国営放送BBCが取材したことで、運命が大きく変化した。

現在は大学受験準備中の12年生(Class 12)になったアスマさんは、コロナ禍により学校の授業がオンラインになり、路上から出席しているが、特に課題をこなすのは非常に難しく、また定期的に警察の取り締まりがあり、追い立てられて一晩中歩き回る羽目になり、勉学の時間を奪われていると訴えていた。

アスマさんの話は多くの人々の心を動かし、世界中から手が差し伸べられている。
ムンバイーを拠点とするNGO団体で、一家を支援する「Aai Caretaker」は、カタールの石油会社幹部から、在学中の家賃として毎月3,000ルピーの寄附が寄せられていることをはじめ、現時点で総額12万ルピーが集まっていると述べている。
その共通するメッセージは、 「教育は人の生活の質を変える」という、アスマさんの信念に共鳴したものだった。

案の定、元記事のコメント欄は荒れていた。
わたしも、「まずは路上生活を余儀なくされる人をなくすこと」が大前提だと思う。
しかし現代が、懸命に生きようとする若者たちへ、国境を越えて差し伸べられる手が届く時代であることも、ひとつの希望であることは確かだ。

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なお、現状に何ら役立つ情報をご提供できていない「ASKSiddhi(アスクスィッディ)」なので、せめて「在ムンバイ日本国総領事館」より日々発信されている州内の状況や州政府による措置に関する最新情報を、今後はこちらにも転載させていただきたい。

=== 以下、同掲題メールの転載 ===
※8月11日付けのメール、件名「日本における新たな水際対策措置(インドからの入国者に対する指定施設での待機期間変更)」


●8月14日(土)午前0時以降にインドから日本に入国する全ての方は,検疫所が確保する宿泊施設での待機期間がこれまでの10日間から6日間に変更となります。

1 8月11日,日本政府は,新たな水際対策措置として,8月14日(土)午前0時以降にインドから日本に到着する全ての方に対し,検疫所長の指定する場所(検疫所が確保する宿泊施設に限る)での待機期間をこれまでの10日間から6日間にすると発表しました。8月13日(金)にインドを出発し,14日(土)に日本に到着する場合は,本件措置の対象となります。
また,入国日の翌日から起算して3日目,6日目に改めて検査を行い,いずれの検査においても陰性と判定された方については,検疫所が確保する宿泊施設を退所し,入国後14日間の残りの期間(8日間)をご自宅等で待機していただくことになります。
(例:土曜日に日本に到着された方は,日曜日が1日目,火曜日が3日目,金曜日が6日目となり,3日目,6日目に検査が行われます。これらの検査で陰性の場合は,6日目の金曜日に指定施設での待機が解除され,残りの8日間をご自宅等で待機していただくことになります。)

ご参考:全ての入国者に共通の措置(厚生労働省ホームページ:水際対策に係る新たな措置について)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00209.html

2 今回の待機期間変更に伴い,空港からの移動手段,指定施設での待機後の待機場所,空港での海外在留邦人向けワクチン接種の予約を変更する必要がある方は,御注意ください。
なお,海外在留邦人向けワクチン接種の予約をしている方で,予約を変更またはキャンセルされる方は,予約日の前日まで以下の特設予約サイト上で変更またはキャンセルすることができます。体調不良等で接種当日にキャンセルされる場合は,コールセンターへ御連絡ください。

【特設予約サイトURL】
https://mar.s-kantan.jp/mofa-v-u/
【海外在留邦人向けワクチン接種事業に関するお問い合わせ先(コールセンター)】
電話 ○日本国内からかける場合:03-6633-3237(有料)
   ○海外からかける場合:(+81)50-5806-2587(有料)
もしくはSkype上でmofa-vaccine-QA@asiahs.com(無料)
 (日本語:月曜~日曜8時~20時(日本時間),英語:月曜~金曜9時~18時(日本時間))
メールアドレス:mofa-vaccine-QA@asiahs.com

【問い合わせ先】
在ムンバイ日本国総領事館・領事班
電話(91-22)2351-7101
メール ryoji@by.mofa.go.jp
=== 転載終わり ==

 

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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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