ムンバイーとケーララ州で、海外渡航予定者へのワクチンパスポートを検討
Posted on 30 May 2021 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh
まだまだ世界的に議論の途上ですが、深刻な影響を受けているインドがどう動くのかは要注目です。写真はシンガポールのリトルインディアです。
ムンバイーやプネー、ケーララ州など、インドの一部地域では、留学確定者に加え、海外渡航予定のある個人への優先的なワクチン接種を検討し始めていることを、「Hindustan Times」が報じていた。
Heading abroad? Kerala, Mumbai have new rules for fast Covid-19 vaccination
たとえばケーララ州では、海外渡航予定者を対象とした優先接種と、海外で現在いわゆる「ワクチンパスポート」と呼ばれている、パスポート番号を記載したワクチン証明書を発行すると、州政府スポークスマンは語っている。
ただし、現時点で新型コロナウイルス感染症対策のワクチン接種を入国条件として義務付けている国はなく、(日本をはじめインド人の入国を拒否している国々以外は)RT-PCR検査の陰性証明書の提示のみが求められている。
一方で、世界中でパンデミックの状況が改善しつつあり、規制が緩和され始めていることを受け、インド政府では4月から全土を覆う猛烈な第2波のため、インド発のフライトのembargo着陸禁止を課すなどしている背景から、国によってはインド人の入国時にワクチン接種を済ませていることを必須条件と課すことがあり得ると予測している。
そこでケーララ州では、ワクチンパスポートを想定し、そうした証明書を発行する当局者として各県の医療担当者に権限を付与している。
また、最新のDirectiveによれば、アストラゼネカ製ワクチン(Covishield)の初回接種を受けた人は、2回目の接種まで通常は12週間から16週間待たなければならないことになっているが、海外渡航予定者のうち、本人の健康状態など医師が可能と認める限り4~6週間後に2回目の接種を受けてもよいとケーララ州政府は発表している。
こうした優先的なワクチン接種に必要な書類としては、有効なビザや入学許可症、企業からの採用通知書や就労許可証などの提示が求められる。
ただし、他国からの人の入国を許可するための「ワクチンパスポート」の要否については、各国で審議中であり、WHOレベルでの具体的なコンセンサスはまだなく、かつインドの「Bharat Biotech」社製のワクチン、「Covaxin」についてはWHOの承認を得ていないため、ムンバイーやケーララ州が独自に検討している「ワクチンパスポート」については、アストラゼネカ製の「Covishield」のみが対象となっている。
参考記事: ムンバイー自治体、海外留学確定者への優先ワクチン接種を許可 Posted on 29 May 2021
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なお、現状に何ら役立つ情報をご提供できていない「ASKSiddhi(アスクスィッディ)」なので、せめて「在ムンバイ日本国総領事館」より日々発信されている州内の状況や州政府による措置に関する最新情報を、今後はこちらにも転載させていただきたい。
=== 以下、同掲題メールの転載 ===
※5月27日付けのメール、件名「新型コロナウイルス・ワクチン(在留邦人の一時帰国時のワクチン接種に係る意向調査について)」
●日本政府は,日本に一時帰国する方々を対象としたワクチン接種事業を準備中です。
●この一環としておおよその利用希望者数を把握するため,アンケートの実施にご協力ください(6月6日(日)までに回答)。
1 日本政府は現在,海外在留邦人の方々で,在留先での新型コロナウイルスのワクチン接種に懸念等を有し,日本に一時帰国してワクチン接種を行うことを希望する方々を対象としたワクチン接種事業を,今夏以降,成田空港及び羽田空港又はその周辺で実施する方向で準備を進めています。
2 事業の詳細は調整中ですが,適切な体制を整える準備の一環としておおよその利用希望者数を把握するため,以下のリンクを通じて,アンケートの実施にご協力ください(所要時間1分程度)。お一人様1回,6月6日(日)までに回答いただけますと幸いです。フォーム上最後のページで「送信」を押すことで,アンケートは完了となります。
※アンケートの回答は統計的に処理され,特定の個人が識別される情報として利用,公表されることはございません。
リンク:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSe0EaSmF6nc5j0Q9R01ccAxfazHCehl1OkKeVsS4vihFl4Ohg/viewform?usp=sf_link
【問い合わせ先】
在ムンバイ日本国総領事館・領事班
電話(91-22)2351-7101
メール ryoji@by.mofa.go.jp
=== 転載終わり ==
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Yoko Deshmukh
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インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
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