「カラチ・ベーカリー」のオーナー、店名を決して変えないのは
Posted on 08 Mar 2021 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh
偏狭な考えに負けず、ずっと「カラチ・ベーカリー」として末永く愛されて欲しいです。写真はデリー空港国内線ターミナルを利用した時に撮影したもので、たまたま「Karachi Bakery」ショップが写り込んでいました。
ハイダラーバードが本店の「カラチ・ベーカリー(Karachi Bakery)」という菓子店が、パキスタンの都市を連想させる店名によりヘイトクライムに遭いながらも、ファンたちの愛に支えられて繁盛を続けているという記事を、「The Hindu」紙面版に見つけた。
‘Will never change name & we are not leaving Mumbai,’ say Karachi Bakery owners
プネーにも、わが家の近所を含めて同じ名前を冠する菓子店がいくつかある。
が、どうやらこちらの記事にある「カラチ・ベーカリー」とは無関係のようだ。
パキスタンのカラチはもちろん知っているが、わたしにとってはこのお店のおかげで、「カラチ」と聞けばおいしいスイーツが真っ先に思い浮かぶようになってしまった。
「カラチ・ベーカリー」のムンバイー店は、たびたびマハーラーシュトラ州で泣く子も黙る恐ろしい極右政党「マハーラーシュトラ・ナヴニルマン・セーナー(Maharashtra Navnirman Sena、MNS)」により、「パキスタン的な名前だ」と言いがかりをつけられてきた。
しかしオーナーは、「祖父の代から守り続けてきた店名を変えるつもりはない」との強い意志を持ち毅然と対応している。
しかし先日、そのムンバイー店が、嫌がらせとも取れる賃貸料の大幅値上げにより現在の場所での営業を断念、閉店した。
現在は別の出店先を探している。
「カラチ・ベーカリー」は1947年に、現パキスタンのカラチを州都とするスィンド(Sindh)州からハイダラーバードへ移住してきたカーンチャンド・ラムナニ(Khanchand Ramnani)氏が1953年に開業した。
以来60年で、ハイダラーバードだけでなくデリー、チェンナイ、バンガロール、そしてムンバイーなどで20店舗を構えるチェーンとして成長した現在は、カーンチャンド氏の孫と曾孫が経営している。
しかしその店名から、たびたび喧嘩を売られてきたという。
近年では2019年のプルワマ(Pulwama)において、パキスタンとの武力衝突の緊張が高まった際、もうひとつの極右政党インド人民党(BJP)から、ハイダラーバード本店の店名を「インディアン・カラチ・ベーカリー」にしろと指示が入ったり、バンガロール店が暴徒に襲われたりした。
それでも、「4代にまたがる店のルーツと伝統である『カラチ』の名前を変えるつもりはない」と、経営者のひとりで62歳になるレクラージ(Lekhraj)氏は表明している。
「カラチ・ベーカリー」がそうした不当なトラブルにもかかわらず、信念を曲げず前進する勇気を保っているのは、他でもない客たちの支持だ。
「家族だけでなくお客様も、『カラチ・ベーカリー』に特別な愛着を抱いている」と話す。
今やハイダラーバード土産の定番となっている「フルーツ・ビスケット」は、「毎日材料を店で混ぜている」という家庭的な味が根強い人気だ。
このほか、オスマニア・ビスケット(Osmania Biscuits)やフルーツをたっぷり詰めたパン、ディルクッシュ(Dilkush)がよく売れているそうだ。
本日最も読まれている記事
1 購入後半年で故障したフォッシルのスマートウォッチを巡る、意外な顛末 Posted on 16 Sep 2019
2 インド人の平均寿命と、女性の伸び率鈍化 Posted on 01 Oct 2019
3 足裏から脚にかけての1日30分マッサージを日課にして1年経過後のレビュー Posted on 04 Mar 2020
4 日本人と顔立ちがよく似た「セブン・シスターズ」北東部の女性、人種差別に立ち上がる Posted on 18 Mar 2017
5 インドで最も住みやすい大都市、プネーは2位 Posted on 05 Mar 2021
-----
なお、現状に何ら役立つ情報をご提供できていない「ASKSiddhi(アスクスィッディ)」なので、せめて「在ムンバイ日本国総領事館」より日々発信されている州内の状況や州政府による措置に関する最新情報を、今後はこちらにも転載させていただきたい。
=== 以下、同掲題メールの転載 ===
※3月5日付けのメール、件名「全日空(ANA)による成田ムンバイ間の臨時便運航」
【ポイント】
●全日空(ANA)では、インド航空当局の許可を取得することを前提に、インド政府が設定したエア・バブルに基づく便として、4月10日、4月24日に成田発ムンバイ行、4月11日、4月25日にムンバイ発成田行の臨時便を運航することとなりました。
●ANAによれば、同便の予約受付・販売は既に開始しているとのことです。
●こちらの便は航空会社のウェブサイトでの予約受付・航空券購入が可能です。
●なお、日本外務省はインドについて「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」の感染症危険情報を発出しています。インドへの渡航を検討される場合は、インドにおける感染状況を踏まえ、渡航の必要性や時期について慎重に御検討ください。また、インド政府の外国人の入国に関するガイドラインに御留意願います。
在留邦人の皆様へ
全日空(ANA)による成田ムンバイ間の臨時便が運航されることになりましたところ,お知らせします。なお、本件照会については、ANAお問い合わせ先までご連絡いただければ幸甚です。
1 全日空(ANA)では、インド航空当局の許可を取得することを前提に、インド政府が設定したエア・バブル(新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策としてインド政府が実施している国際定期旅客航空便の飛来禁止措置の例外措置)に基づく便として、4月10日、4月24日に成田発ムンバイ行、4月11日、4月25日にムンバイ発成田行の臨時便を運航することとなりました。
2 ANAによれば、同便の予約受付・販売は既に開始しているとのことです。なお、空席状況確認や航空券の予約・購入方法等はANAウェブサイトをご確認ください。詳しくは、ANAにお問い合わせください。
(ANAウェブサイト)
https://www.ana.co.jp/ja/jp/international/
(ANAお問い合わせ先)
ANAムンバイ支店予約担当:bomrsvn@ana.co.jp(営業時間<インド時間>:9:00-18:00)
※英語/日本語での受付となります。
※上記の臨時運航便以外についてのお問い合わせ先は以下の通りです。
電話: (インド国内)000800-100-9274 ※24時間対応 ※通話無料
(インド国外)+81-3-4332-6868 ※24時間対応 ※有料
3 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、インド政府よりインド到着旅客に関する情報の提出が義務付けられています。ANAによれば、インドへの航空券を予約・購入された方は、出発の48時間前までに、必ずANAムンバイ支店予約担当に渡航に際し必要な情報の連絡が必要となるため、以下のANAからのお知らせを必ずご確認ください、とのことです。
(ANAからのお知らせ:各地域への入国条件変更/インドへ渡航のお客様へ)
https://www.ana.co.jp/ja/jp/topics/notice200501/#immigration
4 日本外務省はインドについて「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」の感染症危険情報を発出しています。インドへの渡航を検討されている邦人の皆様におかれては、インドにおける感染状況を踏まえ、渡航の必要性や時期について慎重に御検討ください。
(新型コロナウイルス感染症に関する皆様へのお願い:当館ホームページ)
https://www.in.emb-japan.go.jp/PDF/20200929_Coronavirus_j.pdf
また、以下のインド内務省入国管理局ホームページに、現在入国できる査証カテゴリーや査証取得手続き、事前の自己申告フォーム等の提出、入国後の自主隔離等、外国人の入国に関するインド政府のガイドラインが掲載されていますので御留意願います。
(インド内務省入国管理局ホームページ該当部分)
https://boi.gov.in/content/advisory-travel-and-visa-restrictions-related-covid-19-1
(各種情報が入手できるサイト)
インド政府広報局ホームページ
https://pib.gov.in/indexd.aspx
インド保健・家庭福祉省公式ツイッター
https://twitter.com/MoHFW_INDIA
インド入国管理局ホームページ
https://boi.gov.in/
在日インド大使館ホームページ
https://www.indembassy-tokyo.gov.in/jp/index_jp.html
外務省海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/
厚生労働省ホームページ:新型コロナウイルス感染症について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
首相官邸ホームページ:新型コロナウイルス感染症に備えて
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html
=== 転載終わり ==
☆本日の1曲☆
About the author
|
|
Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
|
User Comments