インドで働く人の大部分は自営業者で、その平均月収は1万ルピーである、という報告を、「Live Mint」が伝えていた。
「自営業者(self-employed)」は当然ながら、かなり幅広いくくりがあり、わたしのような自営業の翻訳者なんかは全体の何パーセントを占めているのか分からないが、データとして興味深いのでかいつまんでご紹介したい。
Stark reality of the self-employed
調査の出所は「インド統計・プログラム実行省(Ministry of Statistics and Program Implementation)」の「労働力に関する定期調査(Periodic Labour Force Survey、PLFS)」で、2017年度に初めて個人事業主の収入状況を把握するために実施された。
まず調査対象者のうち、26%が家族経営の個人事業をほぼ無償でサポートしている人が占めている。
人材を雇用して個人事業を経営する人は全体の4%にとどまっている。
個人事業主の6割は農業に従事、それ以外の人々の大部分は貿易、製造、輸送、倉庫などの事業を営んでいる。
そして平均月収は、ウーバー(Uber)やオーラ(Ola)などの配車サービス運転業を営む人々を合わせて1万ルピーに過ぎない。
業種別の平均月収は、食品加工業者が2,500ルピー、占星術師が8,000ルピー、織物・繊維業者が5,500ルピー、屋台経営者が7,000ルピーなどとなっている。
なお、原料の調達から請求書の発行まで、すべての雑事をこなす純粋な個人事業主の平均月収は8,000ルピー、従業員を雇用する個人事業主(全体の4%)は1万5,000ルピーとなっている。
個人事業主全体の中で、月に2万ルピー以上の収入がある人は1割、5万ルピーを超える人においては1%にとどまっている。
また都市と農村部を比較すると、都市の方が平均収入が1.5倍高い。
男性と女性の比較では、男性の方が2.5倍高い。
女性の個人事業主については、農村部の平均月収は3,000ルピー、都市部は4,000ルピー、全体の65%が月収5,000ルピー未満、9割が1万ルピー未満と、悲惨な状況だ。
調査ではこれは、ほとんどの業種で男性が独占的であり、女性はその事業を無償で助ける役割に徹する、インドにおける個人事業主の歪んだ性別パターンによるものだと指摘している。
個人事業主の経営する企業の大部分を占める89%は、従業員数6名未満の小規模事業で、10名以上雇用する企業は3%だった。
(出典 [Live Mintより]: Ishan Anand teaches at Ambedkar University Delhi/Anjana Thampi is a researcher at IWWAGE, LEAD at Krea University)
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