インド2度目の月面ミッションでは、月の南極の謎に迫る

 

Posted on 12 Jul 2019 21:00 in インド科学技術 by Yoko Deshmukh

もしかしたらインド人月移住計画を国家が秘密裏に進めていて、その一環だったりして。写真はリスボン郊外ベレンにて、11月初旬の寒空に浮かぶ月です。



インド史上2番目の月面ミッションがまもなく実施される。
「チャンドラヤーン2(Chandrayaan 2)」と呼ばれるミッションの下、7月14日に探査船が打ち上げられる予定だ。
月への着陸は9月上旬ごろになる見込みで、インドが誇る最高性能の打ち上げロケット、GSLV(Geosynchronous Satellite Launch Vehicle)Mk IIIを搭載する。

India is about to launch a lander and rover to the moon’s south pole

初代月探査ミッションだったチャンドラヤーン1(Chandrayaan 1)は2008年に打ち上げられ、軌道衛星と衝突体を月面に激突させて舞い上がった岩屑を採取し分析したところ、水蒸気が見いだされたことから、月にかつて水があったことを確認した。

チャンドラヤーン2はさらに進化し、軌道衛星、ヴィクラム(Vikram)と名付けられた着陸船、そしてプラギャン(Pragyan)と呼ばれる小型探査機を搭載している。
ヴィクラムとプラギャンは、夜間の低温により停止するまでの14地球日(天体や人工衛星などの時間の換算に用いる地球の24時間; ランダムハウス英和大辞典より)間しか動作しないよう設計されている。

ミッションが順調に行けば、月の南極近くにある2つのクレーターに着陸し、6輪のヴィクラムが出動して探査する。
ヴィクラムは秒速1センチメートルで月面を移動し、塵の中に含まれる化学物質を調査する。

ヴィクラムと軌道衛星には科学的な測定機器も搭載している。
うちヴィクラムには月震(月の地震)を調査するための地震計、月面の温度分布を測る探針、月の希薄大気を調査する計器類、そして地球との距離を正確に測定するために米航空宇宙局(NASA)が提供した特殊ミラー(special mirror)などを搭載している。
軌道衛星には、月面の地形を測り、大気を調査するための科学機器8台が載っている。

着陸に成功すれば、インドはアメリカ、旧ソビエト、中国に次ぎ、月面に軟着陸した4カ国目となり、かつ月の南極付近に着陸した世界初の国となる。
月の南極付近のクレーターには、水が氷で残っているとされていることから、有人探査を実現する目標へ一歩、近づくためにも重要なミッションとなっている。

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Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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