テロに屈することなく世界中から観光客が戻りつつあるスリランカ

 

Posted on 09 Jul 2019 21:00 in トラベル・インド by Yoko Deshmukh

偏向報道とか、印象操作とか、そうしたものに惑わされることなく本質を見極める目を養いたいです。スリランカにはまだ訪れたことがないので、写真はポルトガルはリスボンのパルケ・ダス・ナソエスで出会った夕焼けです。



4月にスリランカのコロンボで発生し、多数の死傷者を出した同時多発テロ事件。

【事案分析】スリランカイースター同時多発テロ事件 - 海外安全.jp

AP通信(アソシエイテッド・プレス)が先週、今年6月にスリランカを訪問した旅行者数が、昨年同時期と比較して57%も落ち込んでいたと報道し、ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)やワシントン・ポスト(The Washington Post)がこぞってこの話題を取り上げた。

AP通信の記事:Visits to Sri Lanka down sharply after hotel, church attacks

ただし数字自体は正しいものの、比較する対象が間違っているとして、次のメディアでスリランカの強さと魅力を紹介していた。

What the Western Media Gets Wrong About Sri Lanka Tourism

実際には前月比にすると、6月にスリランカを訪れた外国人旅行者の数は6万3,072人で、5月の3万7,802人から66%も増加している。

しかも、オーストラリア、オーストリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、スイス、イギリス、アメリカ、そしてもちろん日本を含む各国政府は、スリランカへの渡航危険情報を解除したか、格下げしている。

スリランカの旅行会社、Jetwing Symphonyでは、特に北半球の主要国が旅行シーズンを迎えるため、ピーク期となる7月と8月の旅行予約に、活気が戻っているとして、以下のように語っている。
「7月は当社が取り扱う旅行商品の50%、8月はそれを超える予約率が見込まれている。スリランカ政府が予算570万ドルで6カ月間の展開を予定しているPRと目的地マーケティング・キャンペーンが始まれば、もっと早い段階で(旅行予約件数が)回復しそうだ。(テロ事件の影響を受けて)多くのホテルが宿泊料を割引していることと、有名な遺跡を訪れる観光客が少ない今こそ、スリランカを訪れる絶好の機会でもある」

この記事では、アジア各地では近年、テロ攻撃や軍事クーデター、地震、またSARSなどの伝染病の脅威などが発生する度に、いったんは観光客の予約キャンセルが相次ぐ事態に追い込まれるものの、持ち直すのも比較的早いと分析している。
スリランカもその例外ではなく、観光客はいち早く戻り始めている。

ある旅行会社では、今年5月に内戦終結から10周年を迎えたスリランカの発展は目覚ましいものがあり、これは特に観光業の成長に牽引されていること、6月に観察された66%の成長と、旅行商品の事前予約件数が十分に増加していることは、スリランカの観光業にとっては朗報だと語っている。

スリランカでは、スリランカ航空やホテル協会、観光産業従事者らで作る複数の団体がポータルサイトを立ち上げ、ソーシャルメディアへの積極的な投稿を通じて、信頼できる情報源から発信される最新状況を誰もが確認できるようにしている。
また、最大のインバウンド国であるインドなどの主要市場に特化した旅行パッケージを展開するなど、テロに屈することなく観光客を呼び戻すための、様々な努力を投じている。

本日最も読まれている記事
ポルトガル鉄道のインターネット事前切符予約 26 Oct 2016
農村女性などを在宅事業者として自立させる、サリー売買プラットフォーム 06 Jul 2019
「プラスチックフリー」初心者の日本へ、インドから10の提案 01 Jul 2019

意外に低かった?世界の大学ランキング200校中のIITの位置は 09 Jun 2017
効果てきめん、ターメリックとヨーグルトを混ぜる美顔法:くれぐれも入れすぎには注意! 25 Jul 2017

 





  



About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



Share it with


User Comments

Leave a Comment..

Name * Email Id * Comment *