ダーラーヴィー訪問ツアーがアジアで最も人気の観光プラン、トップ10に
Posted on 24 Jun 2019 21:00 in トラベル・インド by Yoko Deshmukh
住民たちと協力して作り上げたプランであれば、距離を置くことだけが尊重ではなく、互いに関わることの意味やその力を教えてくれるものになるのかもしれません。
スラム街の見物を主目的とする「スラム・ツアー」という観光パッケージが近年、世界的に人気を集め、その倫理についての議論が絶えないという「Telegraph」の記事を見つけた。
Indian slum tour becomes country's most popular tourist attraction
いわく、こうしたツアーは搾取的であり、さらに特に貧しい地域には、観光客が訪問する前に警察による追い出しや「消毒」まで実施されており、住民たちに多大な負担が強いられている状況がある。
一方で擁護派は、責任あるツアーは誇り高く生活する住民たちによって自発的に催行されていると主張しており、そうしたツアーであれば、スラム街で興る事業や創意工夫を体験することができるとしている。
例えば100万人が暮らし、アジア最大のスラム街とされ、映画「Slumdog Millionaire」の舞台ともなったムンバイーのダーラーヴィー(Dharavi)では、使用済みプラスチックや紙のリサイクルが行われていたり、時代のニーズに合わせた手工業や家内工業が生まれたりしている。
つまり、インドの典型的な観光地である寺院や宮殿などではなく、スラム街を訪れることで、観光客は非日常を体験できるだけでなく、その経済にも貢献することができるということだ。
実際インドで最も人気のある体験型観光地はダーラーヴィーがトップで、「デリー旧市街のサイクリング」、「高速鉄道で行くタージマハルとアーグラー城のプライベートツアー」がそれに続いている。
ダーラーヴィーはアジアでも人気観光地にトップ10入りしており、これは位置的には「カンボジア・シェムリアップから1日かけてアンコールワットを巡る団体ツアー」と「タイ・クラビのアオナンビーチでサンセット・クルーズ」に次ぐ注目を集めている。
他人の生活を覗き見する趣味はないので、ダーラーヴィーでなくてもスラム街を見学するツアーに参加することなんて、これまで考えたこともなかったが、視点を変えてみると、「スラム街」などという境界を越えた地球やアジア、インドなど同じ共同体の住民同士が互いに関わり合い、ともにより良い社会を築いていくきっかけとなるのであれば、お邪魔するのも悪くないのかもしれない。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
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