苦戦する外資系オンライン小売業者に、リライアンスからの挑戦状!?

 

Posted on 23 May 2019 21:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh

インドにはセブンイレブンはいらないと個人的に思っています。



世界的最大手の小売業者とも言えるアマゾン(Amazon)とウォルマート(Walmart)が、インド独特の外国投資規制に阻まれて思いのほか苦戦している中、インド最大の小売業ほかの多様な事業を展開するコングロマリット、リライアンス(Reliance)が宣戦布告を仕掛けるべく着々と準備しているようだ。

Asia’s richest man to challenge Amazon’s Jeff Bezos in India

リライアンスを率いるムケーシュ・アムバニ(Mukesh Ambani)氏によれば、同社は中国の最大手オンライン小売業アリババ(Alibaba)を手本としたオンラインマーケットプレイスを築くことを目指している。
具体的には、これまでオンラインでの商品販売プラットフォームに組み込まれてこなかった、キラナ(Kirana)などと呼ばれる個人商店がもっと簡単に消費者とつながることができるようなマーケットプレイスをオンライン上に構築、アマゾンやウォルマート、また昨年ウォルマートに買収されたフリップカート(Flipkart)などの既存大手と直接対抗するとしている。

モーガン・スタンレー(Morgan Stanley)社の試算によると、現在5億人のインターネット・ユーザーが存在するインドのオンライン小売市場の規模は年間30%の勢いで成長を続け、2027年までに2,000億ドル規模に成長することが見込まれている。 

リライアンスはまた、モバイル・ブロードバンド事業「Reliance Jio」を通じてブロードバンド接続コストを補助することにより、小売業者のオンライン進出促進と拡大を図るとしている。

今年初めにインド商工省産業政策振興局(Department of Industrial Policy and Promotion)が発表した新たな方針(ポリシー)では、電子商取引分野への規制を強化、外資系企業の参入拡大を一層複雑にしている。

参考:「インド最新法令情報‐(2019年1月号) 電子商取引分野における対外投資規制」 - 取扱分野 - TMI総合法律事務所

一方、アマゾン、ウォルマート両社ともに、これまでインド市場へ数十億ドル規模の投資を行っており、またアマゾンがインドに擁する従業員数は世界最大規模である。

多くのアメリカ企業にとって中国での事業拡大はほぼ不可能になりつつある中、独特の複雑な問題を乗り越えて、インド市場でなんとか成功の足掛かりを得たいという思惑がある。

現在、デリーやムンバイーをはじめとする大都市では、オンライン小売業の利用は加速度的に拡大している一方、ティア(Tier)2や3と呼ばれる中小規模の都市に住む消費者をいかに電子商取引へ誘導していけるかがカギとなる。

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Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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