進む寺院で捧げられるミルクや供物の再利用

 

Posted on 09 Feb 2019 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

蜂蜜とバターが混じったミルクは、お菓子の材料に活用してもよいかも。写真はエローラのカイラーサナータ寺院にて。小さく写るのは日本から訪ねてきた母。Photo courtesy: Radha-chan.



お祭りや結婚式、新築や新居の購入時など、日常の節目となる行事があると、ヒンドゥー教徒の家庭では祈祷(プージャー)を行うが、この時ミルクにヨーグルトとギー(精製バター)、蜂蜜を混ぜたものを小型の神像にかけて洗うという儀式がある。

家庭(少なくともわが家)の場合は、ミニチュア版の神様を、直径が両手の平ぐらいのお盆に載せて洗うので、ごく少量で済むが、寺院での話となると大量に必要になるのではないか。

バンガロールをはじめとしてインド全土の寺院では、祈祷に使うミルクが毎日数リットルに及ぶことから、花やお菓子などの他の供物と合わせ、使用済みのものをリサイクルするための積極的な試みを導入していることを、少し古い話題だが見つけた。

Offer milk at this temple, get buttermilk in return - Bangalore Mirror

バンガロールにあるガンガーダーレシュワラ・シヴァ寺院では、御神体に注ぐミルクを発酵させてヨーグルトにする段階で生じるバターミルク(ホエイ、一般家庭ではそのまま飲むほか、煮込み料理の下味にしたりする)として参拝者に無料で配布している。

このため、使用するミルクの純度を保ち、儀式に使用するターメリックやクムクム(いずれも額に付ける粉)などの他のものと混ざったりせず発酵(平均的なバンガロールの気温で通常1日かかる)に進めるよう、専門家の助言を受けながら、衛生管理や品質管理に細心の注意が払われている。

寺院で用いるミルクは信者からの寄付に頼っているが、この試みを導入するようになってから、その量が増えている。

この寺院のほか、ムンバイーの寺院でも、供物の花や葉が、敷地内に植えられたおよそ150本の木の肥料として用いられたり、アーメダバードでは技術専門家の支援を得て、供物を有機肥料に変える試みが行われている。

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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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