チェンナイの「5ルピーの医師」ジャヤーチャンドラン先生が逝去

 

Posted on 22 Dec 2018 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

寺院内での写真撮影は禁止されることがほとんどのため、こちらはシンガポールのクリシュナ寺院の画像をイメージとして使っています。



昨年、「The Times of India」の報道を目にしたことで、ASKSiddhi(アスクスィッディ)でも紹介させていただいた「チェンナイの5ルピー医師」、ティルヴェンガダム・ヴィーララガーヴァン(Thiruvengadam Veeraraghavan)先生。

チェンナイ近郊で40年以上、「5ルピーの医師」

ところが、「5ルピーの医師」が複数いらっしゃるところが、チェンナイのすごいところだ。
「The Hindu」が、そんな使命感あふれる医師のひとりだったジャヤーチャンドラン(S Jayachandran)医師が先日、71歳で生涯を閉じたと報じていたことから、知ることになった。

Chennai's ‘₹5 doctor’ S. Jayachandran is no more - The Hindu

生前、ジャヤーチャンドラン医師は、「自分の学んだことで金儲けしたくない。誰かの命を救うことで得られる幸福感と満足感は、何物にも代えがたいものだ」と話していた。

チェンナイでは患者に限らず多くの人が、ジャヤーチャンドラン医師の逝去を惜しみ、哀悼の意を表している。

ジャヤーチャンドラン医師はマドラス医科大学を卒業して以来、43年に及ぶ医師人生を一貫して、金銭的な制約上、質の高い医療を受けられない患者を、たった5ルピーで診察し続けた。
お金がまったくない患者に対しては、薬代を負担したり、脚の悪い患者のためにリクシャーを手配したり、履物を買ってあげたりすることさえよくあったという。

患者のひとりは、意識不明の状態で医師のもとへ連れてこられたが、夕方には歩いて帰れるほど回復、後年になって吐血した6歳の娘を診てもらった時も、命を助けてもらったと語っている。

ジャヤーチャンドラン医師が、経済的に不利な立場にある人々の治療を続ける一方、比較的余裕のある人々が寄付を申し出ると、「代わりに、困っている人々のための薬代を払ってくれ」と言い、身分や人種、宗教の垣根を超えた平等な医療を追求した。

さて、わが街プネーには、「150ルピーの医師」がいる。
アンワル先生(Dr Anwar)だ。


アンワル先生のクリニック位置

 

プネー在住パールスィーのAさんから教えてもらうまで、体調が悪くなると自宅裏の、いつでも600ルピーを請求するクリニックにお世話になっていたが、大量の薬を処方してくれるのはよいが、服用すると今度は胃が荒れてしまい、二重の苦しみを味わう羽目になっていた。

アンワル先生はいつでも、どんな症状でも150ルピーしか請求せず、薬も最小限のジェネリックを薬局で買うよう指示するのみ。
穏やかで、患者の目を見てきちんと話を聴いてくれるので、辛い症状がある時でもそれだけでだいぶ身体が軽くなる気がする。

150ルピーという診察料は、どちらかと言うとミドルクラス水準かもしれないが、もしもプネーのコレガオン・パーク(Koregaon Park)周辺にお住まいで、体調を崩されるようなことがあったら、ぜひおすすめしたい。

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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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