豊かさとは
Posted on 30 Oct 2021 21:00 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh
これからも自らの「常識」というものを疑い続けます。だってケチャップがこんな容器に入って売られているような国で暮らしていれば、意表をつかれっぱなしです。
コロナ禍という名の自然災害を前になすすべもなく、もがき続けながら、苦しみながら、わたしたちは問い続けているのではないだろうか。
少し前まで、豊かさとはありあまるお金や資産、誰もがうらやむ暮らしや名声を指す言葉だった。
しかし今、多くの人が気づいている。
豊かさとは、策略に長けた人が、人のものを横取りしたり、出し抜いたり、独占したりして手に入れるものではなく、ましてや自分と他人とを比較して優越感に浸るためのものではない。
無理をしなくても、個々のペースで、自分が納得できる生き方を、誰もが当たり前に享受できることだ。
そして、底知れない欲望に駆られて追求し続けるものでなく、満たされれば充足するもの、そして自分にとって普遍の価値を持つ、かけがえのないものを見極め、そばにある幸福を実感できることだ。
プネーのわが団地で、洗車を職業にされている方がいる。
わが家を含め、各世帯の乗用車を週1回、月1台1,000ルピーの料金で依頼を受けており、月収は2万から2万5,000ルピーほどということだ。
その人から、わが家が10年ほど乗っていた車を、できれば買い取りたいと言う申し出があったそうだ。
仕事着なのだから当たり前だが、いつも破れたポロシャツにボロボロのパンツを身に着けていて、常に額に汗しており、洗練からはほど遠い。
それに、インドの大地を数十万キロも走ってきた老体の中古車を買うというのだから、自由になるお金が有り余ってるわけではないだろう。
しかし、ほんの少し前のインドではなかなかハードルが高かった、乗用車を購入し、運転して好きなところへ出掛けたり、好きな仕事をしたりするということが、堅実な人であれば叶うようになってきているのだ。
プラビン(Pravin)さんという、シッダールタの会社で長らく運転手をしてくださっている方がいる。
この方の月収は3万から3万5,000ルピーほどだが、2LDKの自宅マンションをプネーの中でも高級なエリアに所有している。
さらになんと、数年前に家族の一大事で緊張の日々を過ごしていたわれわれに、実の叔父でもないのに「急に現金が必要になったら、10万ルピーぐらいならいつでも都合できるから、遠慮なく言ってくれ」などと申し出てくれるほど、しっかり貯金をされている(もちろんお借りしたことはないが)。
シッダールタは、マハーラーシュトラ州東部の田舎町出身だ。
義両親が住んでいるため、これまで毎年ディワーリーのたびにこの町を訪問してきた。
外国人が皆無どころか、ところどころ舗装されていない穴だらけの砂利道を、乗用車やオート、サイクルリクシャーが土煙を上げ、牛や豚、ロバが闊歩する以外に、広いインドの中でも特筆すべきところのない、正真正銘のド田舎である。
シッダールタ同様ここで生まれ育ち、思春期のほとんどをこの町で過ごしてきた義姪たちも例外なく、ケーブルテレビでたびたび放映される、未知の「Family Restaurant」マクドナルドのCMを見て、プネーに遊びに来るたびに「詣で」をせがむ純朴な娘だった。
しかし運命とはおもしろいもので、うちひとりは今、日本有数の大都市で一人暮らしをしながら、外国人従業員が他にいない日本企業で、正社員として働いている。
たった3年前には予想もつかなかった飛躍だ。
機会さえあれば、誰もがそれぞれの物差しで豊かになれる。
そんなインドに、日本に、世界になっていけばと願い、自分にもできることをコツコツと積み上げていきたい。
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なお、現状に何ら役立つ情報をご提供できていない「ASKSiddhi(アスクスィッディ)」なので、せめて「在ムンバイ日本国総領事館」より日々発信されている州内の状況や州政府による措置に関する最新情報を、今後はこちらにも転載させていただきたい。
=== 以下、同掲題メールの転載 ===
※10月12日付けのメール、件名「日本における新たな水際対策措置(コビシールドの取扱いほか)」
●コビシールド(Covishield)」については、10月12日午前0時以降、「バキスゼブリア(Vaxzevria)筋注/アストラゼネカ(AstraZeneca)」と同一のものとして取り扱うことが決定されました。
●ただし、本日(12日)現在、インドで発行されたワクチン接種証明書は、日本入国・帰国時の検疫措置の緩和対象ではありませんので、既にインドにおいてコビシールドの2回接種を完了し、インドで発行されたワクチン接種証明書をお持ちの方は御注意ください。今後の取扱いについては調整中ですので、今後変更がある場合には、改めて領事メールにてお知らせします。
1 10月8日、日本において新たな水際対策措置が決定され、「水際対策強化に係る新たな措置(18)」(令和3年9月27日)に基づく措置の適用に当たって、アストラゼネカから技術供与を受けてインド血清研究所が製造する「コビシールド(Covishield)」については、10月12日午前0時以降、既に日本入国時の水際防疫措置緩和の対象となっている「バキスゼブリア(Vaxzevria)筋注/アストラゼネカ(AstraZeneca)」と同一のものとして取り扱うことが決定されました。
2 ただし、本日(12日)現在、インドで発行されたワクチン接種証明書は、日本入国・帰国時の検疫措置の緩和対象ではありません。既にインドにおいてコビシールドの2回接種を完了し、インドで発行されたワクチン接種証明書をお持ちの方は御注意ください。
3 インド政府によって発行されたワクチン接種証明書の取扱いについては調整中ですので、今後変更がある場合には、改めて領事メールにてお知らせします。
【問い合わせ先】
在ムンバイ日本国総領事館・領事班
電話(91-22)2351-7101
メール ryoji@by.mofa.go.jp
=== 転載終わり ==
本日の練習
About the author
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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