セルロースの豊富なキュウリの皮から生分解性食品包装材の開発

 

Posted on 21 Dec 2020 21:00 in インド科学技術 by Yoko Deshmukh

写真はみずみずしいキュウリで作るカチュンバルです。



インド工科大学(Indian Institute of Technology、IIT)カラグプル(Kharagpur)校の研究者らが、キュウリの皮を活用した環境に優しい包装材を、2年の実験と試験を繰り返し開発した、という話題を、「The Better India」が伝えていた。

IIT Kharagpur Uses Cucumber Peels to Create New Biodegradable Food Wrapping

キュウリの皮を主原料とする100%生分解性素材の包装材を開発したのは、IITカラグプル校のジャイータ・ミトラ(Jayeeta Mitra)教授だ。

教授によればセルロース含有量が豊富なキュウリの皮は生分解性であり、また有機栽培の場合は完全に無毒で環境に悪影響を及ぼさないため、食品や野菜、液体の包装材のほか、紙製食器の防水コーティングとしても理想的な原料とみなすことができる、としている。

「(現在インドに流通している)生体高分子の多くは、バナナの皮やキャッサバから抽出した成分を使用しているが、強度やバリア性、また食品への安全性が不十分なため、本格的な包装材としての活用が進んでいない。今回、多角的な試験を行った結果、キュウリの皮は、他の果物や野菜の皮よりもセルロース含有量が高く、安全な食品包装材として使用できるとの結論に達した」ジャイータ教授は説明する。

研究はインド政府が全土でプラスチックの使用禁止令を展開した2018年初頭に、代替となる生分解性包装材としてキュウリの皮に注目、開始した。

まず、実験室の条件下で酸加水分解と呼ばれる技術を使用し、キュウリの皮から水溶性分子、酸可溶性分子、およびアルカリ可溶性分子を抽出した。そうすることで、酸素透過性が低く、包装材として使用するのに十分な強度を持つナノ結晶セルロースを、一般的な方法で抽出することができるようになった。

「ナノ結晶は、素材に強度を与え、生体高分子の機能を強化する有機フィラーである。これを用いてフィルム様の素材を作り、さまざまな野菜に巻き付けた。次に、その強度や、野菜の傷みを防げる期間を判定するための試験を実施した結果、すべての項目で満足する結果を得ることができた」ジャイータ教授。

ただし研究は進行中で特許は未取得のため、これ以上の詳細については明らかにされていないものの、商品化を希望する各業界からの問い合わせが相次いでいるようだ。

本日最も読まれている記事
購入後半年で故障したフォッシルのスマートウォッチを巡る、意外な顛末 Posted on 16 Sep 2019
空前のインド料理ブーム、でもスイーツはノーマークなあなたへ Posted on 29 May 2019
インド人の平均寿命と、女性の伸び率鈍化 Posted on 01 Oct 2019

ありがとうジャッキーくん、安らかに Posted on 16 Dec 2020
「コロナのおかげで学校ができた」、テーランガーナー州の村 Posted on 14 Dec 2020

-----
なお、現状に何ら役立つ情報をご提供できていない「ASKSiddhi(アスクスィッディ)」なので、せめて「在ムンバイ日本国総領事館」より日々発信されている州内の状況や州政府による措置に関する最新情報を、今後はこちらにも転載させていただきたい。

=== 以下、同掲題メールの転載 ===
※11月6日付けのメール、件名「
全日空(ANA)による成田発ムンバイ着臨時便の運航

●全日空(ANA)では、インド航空当局の許可を取得することを前提に、インド政府が設定したエア・バブルに基づく便として、11月28日に成田発ムンバイ行の臨時便を運航することとなりました。なお、今回は成田発ムンバイ行のみ旅客便として運航するため、ムンバイ発成田行きの旅客便の運航はしないとのことです。
●ANAによれば、同便の予約受付・販売は既に開始しているとのことです。
●今回から、航空会社のウェブサイトでの予約受付・航空券購入が可能となっています。
●なお、日本外務省はインドについて「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」の感染症危険情報を発出しています。インドへの渡航を検討される場合は、インドにおける感染状況を踏まえ、渡航の必要性や時期について慎重に御検討ください。また、インド政府の外国人の入国に関するガイドラインに御留意願います。

在留邦人の皆様へ

 全日空(ANA)による成田発ムンバイ着臨時便が運航されることになりましたところ,お知らせします。なお、本件照会については、今までと同様に当館お問い合わせ先(在ムンバイ日本国総領事館、電話: (91-22)2351-7101,
email:ryoji@by.mofa.go.jp)までご連絡いただければ幸甚です。

1 全日空(ANA)では、インド航空当局の許可を取得することを前提に、インド政府が設定したエア・バブル(新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策としてインド政府が実施している国際定期旅客航空便の飛来禁止措置の例外措置)に基づく便として、11月28日に成田発ムンバイ行の臨時便を運航することとなりました。なお、今回は成田発ムンバイ行のみ旅客便として運航するため、ムンバイ発成田行きの旅客便の運航はしないとのことです。

2 ANAによれば、同便の予約受付・販売は既に開始しているとのことです。
 なお、今回から、航空会社のウェブサイトでの予約受付・航空券購入が可能となっています。
 空席状況、航空券の予約・購入方法等については、ANAウェブサイトをご確認ください。詳しくは、ANAにお問い合わせください。
(ANAウェブサイト)
https://www.ana.co.jp/ja/jp/international/

(ANAお問い合わせ先)
ANAムンバイ支店予約担当:bomrsvn@ana.co.jp(営業時間<インド時間>:9:00-18:00)
※英語/日本語での受付となります。
※上記の臨時運航便以外についてのお問い合わせ先は以下の通りです。
電話:     (インド国内)000800-100-9274 ※24時間対応 ※通話無料
        (インド国外)+81-3-4332-6868 ※24時間対応 ※有料

3 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、インド政府よりインド到着旅客に関する情報の提出が義務付けられています。ANAによれば、インドへの航空券を予約・購入された方は、出発の48時間前までに、必ずANAムンバイ支店予約担当に渡航に際し必要な情報の連絡が必要となるため、以下のANAからのお知らせを必ずご確認ください、とのことです。
(ANAからのお知らせ:各地域への入国条件変更/インドへ渡航のお客様へ)
https://www.ana.co.jp/ja/jp/topics/notice200501/#immigration

4 日本外務省はインドについて「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」の感染症危険情報を発出しています。インドへの渡航を検討されている邦人の皆様におかれては、インドにおける感染状況を踏まえ、渡航の必要性や時期について慎重に御検討ください。
(新型コロナウイルス感染症に関する皆様へのお願い:当館ホームページ)
https://www.in.emb-japan.go.jp/PDF/20200929_Coronavirus_j.pdf
また、以下のインド内務省入国管理局ホームページに、現在入国できる査証カテゴリーや査証取得手続き、事前の自己申告フォーム等の提出、入国後の自主隔離等、外国人の入国に関するインド政府のガイドラインが掲載されていますので御留意願います。
(インド内務省入国管理局ホームページ該当部分)
https://boi.gov.in/content/advisory-travel-and-visa-restrictions-related-covid-19-1

(各種情報が入手できるサイト)
インド政府広報局ホームページ
https://pib.gov.in/indexd.aspx
インド保健・家庭福祉省公式ツイッター
https://twitter.com/MoHFW_INDIA
インド入国管理局ホームページ
https://boi.gov.in/
在日インド大使館ホームページ
https://www.indembassy-tokyo.gov.in/jp/index_jp.html
外務省海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/
厚生労働省ホームページ:新型コロナウイルス感染症について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
首相官邸ホームページ:新型コロナウイルス感染症に備えて
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html
=== 転載終わり ==


☆本日の1曲☆

 

 






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



Share it with


User Comments