法律相談から診察、教育まで、遠隔でもできそうなこと、そうでないこと

 

Posted on 20 Jun 2020 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

このように家庭訪問にやってくるネコネコ警備隊のみなさまとのささやかな交流も、遠隔では難しいかな。



ロックダウン中に専門家に遠隔相談した機会は、覚えている限り2度あった。

1度目は早朝、近所の薬局に向かっていたところを警察に拘束され、およそ1時間半後に警察署から開放される前に氏名と住所、電話番号を聴取されてしまったので、念のために夫の友人の弁護士に電話で相談した。
その方はかなり親身に話を聞いてくださり、警察から何らかのアプローチがあったらすぐに連絡するよう言ってくださったので、ようやく安心することができた。

2度目は直接ではないが、600キロほど離れたマハーラーシュトラ州東部の田舎町に暮らす夫の母が、持病のリウマチで気になる症状があるということで、かかりつけ医に相談してもらうためだ。
その医師は遠隔診察に1,000ルピーの料金を定めており、支払い手段として指定された「Google Pay」アカウントをたまたまわたしが持っていたので立て替えた。
支払い済みを表す画面のスクリーンショットを送ったらすぐに折り返し連絡して診察してくれたそうだ。

ロックダウン中と外出自粛期間の今、ビデオ通話を利用して各種相談に無料で乗っているデリーのリーガルテック企業「LawRato.com」の話題を「The Hindu」紙面版で見かけて、そんなことを回想していた。

Stay at home, consult lawyer in real time

ところで昨日、福岡で「Wahaha Japanese Language School」を経営する前川順子(まえかわ・じゅんこ)さんのお誘いで、元厚生労働省参与、武内和久(たけうち・かずひさ)さんを囲んで、オンライン会議システム「ズーム(Zoom)」を利用し、20か国27人が「コロナ新時代」について各国の状況や日本の取り組みに対する意見を述べ合う、今回が2回目となる遠隔ディスカッションに参加させていただいた。
アメリカ大陸から、福岡とプネーを含めたアジア各国、ヨーロッパまで、多様な土地から時差を調整しつつ参加した人たちのほとんどは、順子さんが経営する学校の出身者であるというからすごい。

その中で、「何は遠隔にできて、何はできないか」について、一同で考えを述べ合ったが、大部分の人が仕事について「オフィスに行って同僚の顔を見ながらでないとできないこともある」とおっしゃっていて、「万年在宅ワーク」のフリーランス翻訳者であるわたしなどは一抹の疎外感をおぼえたことは、ここだけの話だ。
コロナ禍による遠隔教育もテーマのひとつとして挙がり、「必要な機材や高速ネット接続を用意できる家庭とそうでない家庭とがあり、格差がますます開いている」という指摘があった。

一方のインドでは、少なくともスマートフォンとセルラー経由のネット接続が農村や田舎町にも普及していることに注目し、ゆっくりとだが、遠隔教育の普及拡大に力を入れようという動きが見られ始めている。
遠すぎる学校に通えないなどで、教育を受けることの大切さすら知らなかった子供たちが、たとえスマートフォンの小さな画面でも勉強するきっかけを掴むことができたら、それは大きな1歩になる。

なお、現状に何ら役立つ情報をご提供できていない「ASKSiddhi(アスクスィッディ)」なので、せめて「在ムンバイ日本国総領事館」より日々発信されている州内の状況や州政府による措置に関する最新情報を、今後はこちらにも転載させていただきたい。

=== 以下、同掲題メールの転載 ===
※6月19日付けのメール、件名「中国とのLAC付近における中印両国軍の衝突に関する注意喚起」

●ラダック連邦直轄領の中国との実効支配線(LAC)付近において,インド及び中国の両国軍による衝突があり,これまでに複数の死傷者が出ています。同地域への渡航は止めてください。
●ニューデリー市内においては,中国大使館前での抗議活動が行われているほか,ディフェンスコロニー地区での中国製品不買運動が起こっている等の情報があります。
●また,マハーラーシュトラ州ムンバイ市の中国総領事館周辺での抗議活動は,現在確認されておりませんが,報道によれば,ムンバイ市やグジャラート州アーメダバード,バドーダラ,スーラト,ラージコートでは,一部の者が路上で中国製の携帯電話やテレビ等電化製品やおもちゃなどを壊す・燃やす,窓から投げ捨てる等の行為に及んだほか,習国家主席の写真を燃やしたとも報じられています。抗議デモの現場やシュプレヒコールをあげる集団には決して近づかないでください。

在留邦人及び短期渡航者の皆様へ

1 ラダック連邦直轄領の中国との実効支配線(LAC)付近において,インド及び中国の両国軍による衝突があり,これまでに複数の死傷者が出ています。
報道によれば,両軍は5月上旬から両国の実効支配線のあるパンゴン湖周辺など数か所でにらみ合い,小競り合いも発生してきています。さらに,今月15日夜から16日未明にはバルワン渓谷で衝突が起き,インド政府によるとインド軍兵士20名が死亡したとのことです。中国側は未発表ですが,43人が死傷したとの報道があります。
このような状況を踏まえ,くれぐれも同地域への渡航は止めてください。

2 ニューデリー市内においては,在インド中国大使館前での抗議活動が行われているほか,ディフェンスコロニー地区での中国製品不買運動が起こっている等の情報があります。今後,市内の他の地域や他の都市においても同様の活動が起こる可能性があります。

3 また,マハーラーシュトラ州ムンバイ市の中国総領事館周辺での抗議活動は,現在確認されておりませんが,報道によれば,ムンバイ市やグジャラート州アーメダバード,バドーダラ,スーラト,ラージコートでは,一部の者が路上で中国製の携帯電話やテレビ等電化製品やおもちゃなどを壊す・燃やす,窓から投げ捨てる等の行為に及んだほか,習国家主席の写真を燃やしたとも報じられています。
 中国に対する抗議行動等が今後起こる可能性がありますので,注意してください。

4 在留邦人の皆様及びインド滞在中の皆様におかれましては,今回の衝突に対するデモ活動などの現場付近にいた場合,中国人であると誤解され,不測の事態に巻き込まれる可能性があります。つきましては,最新情報の入手に努め,不測の事態に巻き込まれないよう細心の注意を払うとともに,抗議デモの現場やシュプレヒコールをあげる集団には決して近づかないでください。

このメールは,在留届にて届けられたメールアドレス及び旅レジに登録されたメールアドレスに自動的に配信されております。

【問い合わせ先】
在ムンバイ日本国総領事館・領事班
電話(91-22)2351-7101
メール ryoji@by.mofa.go.jp
=== 転載終わり ===


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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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