ムンバイーやプネーをはじめとする、インド西部各地では今年、モンスーンがかなり長期化しており、ディワーリー休暇が始まった10月26日現在、今朝もカルヤーニー・ナガル（Kalyani Nagar）周辺で降雨があった。
通常、10月に入るか入らないかの時期から徐々に暑くなり、11月になると朝晩がひんやりとしてくる、という気候パターンのプネーだが、今年は暑さを経験せぬまま、もう肌寒い日々がやってきている。
イレギュラーな気候が、より深刻な災害をもたらすきっかけにならなければよいが。

というのも、現在「非常に強い（'extremely severe）」サイクロン「キャール（Kyarr）」が西から迫っているためだ。

'Kyarr' may become an extremely severe cyclone, says India Met

インド気象局（Indian Meteorological Department、IMD）によれば、現在「キャール」はインド西海岸マハーラーシュトラ州ラトナギリ（Ratnagiri）から西南西およそ210キロメートル、ムンバイーから南南西およそ370キロメートルのアラビア海海上にあり、現在風速毎時75～85キロメートルに達し、徐々に勢力を拡大しながら、インドのある北北東方向に時速7キロメートルでゆっくり移動している。

気象局では、このペースで暖かい湿った海上を移動すると、27日までに風速毎時90から場合によっては200キロメートルの非常に強いサイクロンに成長する恐れがあり、カルナータカ州、ゴア州、マハーラーシュトラ州コンカン地方に大雨を降らせる可能性があると警告している。

アラビア海東部では26日正午までに波の高さが14メートル（46フィート）を超え、風浪階級で最大の「Phenomenal」に達すると予報されており、漁業関係者に出航の見合わせを呼び掛けている。

今年のモンスーンは、各地で例年を大きく上回る被害を観測している。
現在までにモンスーン災害の影響で、22州で死者2,155人、行方不明者45人、また260万人が避難を余儀なくされるなど、生活に何らかの支障をきたしていると、インド内務省（Home Ministry）が発表している。

Monsoon claimed 2,155 lives, affected over 26 lakh people in 22 states: Home Ministry

死者数が最も多かったのはマハーラーシュトラ州で430人、続いて西ベンガル州の227人だった。

また、インド全土で死亡した動物は2万頭にのぼり、全壊家屋は22.3万戸、半壊家屋は20.6万戸、作物が浸水被害に遭った耕地は140.9万ヘクタールに及んでいる。

インド気象局によれば、今年のモンスーンは9月30日時点で公式に終了したことになっているが、各地で依然として降雨が続いている。
国内で観測される降水量としては、1994年以来の高い水準を記録している。

最も被害の大きかったマハーラーシュトラ州では、71万9,000人が州内30カ所の避難所を頼らざるを得ない状況となった。

「キャール」の今後の動向が心配だ。

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