ネットフリックス日本版でも配信されているドラマ・シリーズ、「Sacred Games」。
公式トレイラー
昨年末の配信時にいったん視聴を開始したのだが、暴力シーンに怖気づいて挫折、しかし最近、寝る前の習慣として取り入れた足裏マッサージをしながらのお楽しみとして、改めて第1話から観ることにした。
現在配信されているシーズン1、全8話を観終わったが、怖いけど内容をよりよく把握するためにもまた繰り返し観たい、中毒性のあるおもしろさだった。
劇中の登場人物ガイトンデ(Gaitonde)の顔と、独特のタイトル曲が、脳内で繰り返し再生されている。
ムンバイーで80年代から90年代にかけて暗躍したギャングやマフィアたちと、現代との繋がり、それが示唆する街の恐ろしい運命を、一介の警察官や諜報機関RAW(Research and Analysis Wing)が絡む架空のストーリーに仕立てているサスペンス・スリラーで、甘い要素はほとんどない。
詳しいストーリーは割愛するが、一度はあきらめた視聴を再開するに至ったのは、何と言っても脇役全員を含め、出演している俳優陣の顔ぶれのすごさにある。
主演のサイーフ・アリー・カーン (Saif Ali Khan)とナワーズッディーン・シッディーキー(Nawazuddin Siddiqui)は言うに及ばず、日本では「パッドマン」で妻ガヤトリ役の好演が記憶に新しいラーディカー・アープテー(Radhika Apte)さんがエリート諜報部員役、ダンガル(Dangal)での癖のある役が印象的だったギリッシュ・クルカルニー(Girish Kulkarni)さんはマハーラーシュトラ州にありがちスペックの腹黒政治家役、そしてその政治家に癒着しつつも状況に応じて狡猾に立場を変える警視(DCP)役のニーラジ・カビ(Neeraj Kabi)さんを筆頭に、一度その顔を見たら絶対に忘れられない、珠玉の演技派俳優陣が、文字通り身体を張って臨んでいる。
なお、どうでもいいことだが、第1話でガイトンデが殺した相手の頭を重ねてチャッパルで何度もひっぱたき、仲間に「まぁまぁ」となだめられるシーンが、いつまでも記憶に居座っており、個人的にツボだった。
そして改めて、かつてマフィアたちが跋扈したムンバイーという街の、光と闇に思いを馳せることになる。
Wikipediaの「Oragnized Crime in India」という項目では、ほぼムンバイー(旧ボンベイ)の説明が大部分を占めているのも興味深い。
舞台のほとんどを、ムンバイーという巨大都市の裏通りとか、スラム街、廃墟になった工場など、普段通り過ぎるだけだが常にその存在が頭の片隅にある場所が占めており、また度々マハーラーシュトリアン(マハーラーシュトラ州出身のマラーティー語を母語とする人たちで、「マラータ」を自称するのはほぼヒンドゥー教徒たち)が特権意識を振りかざして他州出身者や多民族を恫喝するような場面と遭遇すると、プネーというほぼ隣町の大都市、かつもっとマラーティー色の濃い街に暮らす身としては、日常と隣り合わせにある暗黒を垣間見ているような気分になる。
それにしてもシーズン1の終わり方がかなり中途半端だったので、続きが非常に気になる。
シーズン2を待たずにVikram Chandra著の原作小説を読むべきか、迷っている。
Sacred Games - Amazon.in
シーズン2は2月に撮影終了ということで、配信時期はまだ分かっていないようだ。
Sacred Games season 2 Netflix release date, cast, trailer, plot
「Sacred Games」シーズン2トレイラー
「Sacred Games」シーズン2の楽し気なティーザー
※シーズン2にはアニール・カプール(Anil Kapoor)が出演?
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