2018年は日本における「バーフバリ年」だった。
昨年末に「王の凱旋」が、インド公開版から30分ほどのシーンがカットされた国際版として全国の映画館で公開されて以来、2月中旬時点でDVDとしても販売されているのに、インド公開版と同じ長さの完全版劇場公開が決行され、現在は「伝説誕生」の完全版が劇場公開するという運びになっている。
4月にはプロデューサーと監督が、6月にはクマーラ・ヴァルマ役のスッバラージュさんがそれぞれ来日して熱狂的なフィーバーを巻き起こした。
さらに来月(11月)初旬には、暴君バラーラデーヴァを演じたラーナー・ダッグバーティさんが○○で開催されている「東京コミコン」に降臨するとあって、ジャパーニー・マヒーシュマティ界隈は再び熱く熱く盛り上がっている。
「東京コミコン 2018」で国王陛下に最敬礼!『バーフバリ』バラーラデーヴァ役ラーナー・ダッグバーティが来日決定 - The River
なお、コミコンはインドでも大盛り上がりで、一時期プネーでも毎年開催されていたのだが、近年なぜか休止している。
Comic Con India
なお、次の動画でわたしはラーナーさんが英語(どころか映画のセリフ以外)を話しているところを初めて聞いたが、堂々たるインディアン・イングリッシュだったので安心する。
*From "Baahubali Movie" the official channel,
the concept behind Bhallaladeva character.
Quite interesting to watch.
せっかくなのでこの機会に、これまでASKSiddhiにて綴ったバーフバリ関連の話題をまとめたリンクを貼っておく。
ASKSiddhi - 「バーフバリ」関連タグ
そんなラーナーさん、活動拠点としてはツイッター等のSNS上で見受けられるところではムンバイーの出現率も高そうだが、本来は南インドはテーランガーナー州やアーンドラ・プラデーシュ州を中心に、海外にも多くの話者を抱えるテルグ語圏映画、トリウッド俳優だ。
テルグ語圏の中心地と言えばハイダラーバード、そしてハイダラーバードの名物と言えばビルヤーニー。
そこでラーナーさんも食べたかもしれない(とASKSiddhiが無理やりこじつけているだけの)伝統のビルヤーニー店を、「The New Indian Express」紙が伝えていた。
Melting pot of traditional flavours - The New Indian Express
そのビルヤーニー店とは、創業以来78年、その味を守り続けているティルヴァナンタープラムのアザド(Azad)という店だ。
この店ならではの秘伝レシピで炊き込まれ、パイナップルがトッピングされたマトン・ビルヤーニー、その名も店名を冠した「アザド・ビルヤーニー」が特に有名なのだそうだ。
もとはミーラン(Meeran Pillai Pareed Kunju)という人が創業した「Azad Pukka Travancore Biriyani」が起源。
ご存知の通り、独自の豊かな食文化を誇るケーララ州では、ビルヤーニーを出す店は一般的とは言えない。
パイナップルのトッピングは、周辺で唯一のビルヤーニー店として開店した1940年以来の慣例となっている。
当時、ビルヤーニー1皿の価格はクオーター(4分の一)アーナー(1アーナーは6.25パイサ)だった。
ティルヴァナンタープラムのほか、コッラムやナガルコイルにも支店を持つ。
アザド・チェーンは創業者の3人の孫たちが経営、「アザド三兄弟」と呼ばれている。
3人は78年間変わらぬ味のマトン・ビルヤーニーのほか、創業当時のメニュー復刻を目指しているという。
バーフバリをきっかけにビルヤーニーに関心を持った人たちには、インドにはハイダラーバーディ・ビルヤーニーのほかにも、イラーニー・ビルヤーニーやラクナウィー・ビルヤーニーなど、様々な形で存在するビルヤーニーを訪ねる旅、というのに来て欲しい。
10 Types of Biryani You Need to Try in India - Culture Trip
さて、バーフバリの話のまとめである。
わたしは今年2月に自宅のネットフリックス(Netflix India)で二部作を視聴したのち、春から初夏にかけての帰国中に、「王の凱旋」完全版を友人と1回、実家の母と1回の合計2回、福岡の映画館で鑑賞した。
それ以外には小説「The Rise of Shivagami」も読了し、バーフバリ世界に耽溺しようと試みた。
しかし、所詮ただのインド在住者に過ぎないわたしにとっては、バーフバリという映画そのものよりも、この作品が日本でなぜ、これほど強大な人気を維持し続けているのか、ということのほうにむしろ興味がある。
カルチャー系独立ウェブメディア、「Scroll.in」による同様の趣旨の取材にも協力させていただく機会があった。
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日本のマヒーシュマティアンたちに、わたしもぜひ会ってみたい。
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