プネー今昔、参考文献とともに

 

Posted on 03 Oct 2021 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

プネーが今ほどの大きさになったのは、この30年ほどに過ぎないと聞いたことがあります。



「Indian Express」が、イギリス領時代のプネー(プーナ)の様子を知ることのできる記事を引用して紹介しており、興味深いので抄訳して記録しておく。

Know Your City: Colonial Pune, a city with two settlements as different ‘as North and South poles’

イギリスのバーリントン(Burlington)で服と剣を売る会社「Landon, Morland & Landon」を経営していた23歳のトーマス・D・ランドン(Thomas D Landon)は、イギリス領インドの3州を商談のために巡り、1851年5月8日に出張先のひとつであるプネーに到着した。
その旅行については詳細な回想録として1857年に出版した書籍「Narrative of a Journey Through India」に綴っており、大英帝国軍の手に陥落してから34年を経過したプネーの様子についても詳しく記述している。

1817年に大英帝国がプネーを支配すると、古くからの町の中心、現在で言うところの旧市街の東側にあった2つの河川、マニック・ヌラー(Manik Nullah)とバイロバ・ヌラー(Bhairoba Nullah)の合流地点にカントンメント(Cantonment)が整備された。



 

1830年に、ボンベイ知事(Bombay Governor)はモンスーン期をプネーで過ごすことを決定、これにより毎年6月から10月にかけて、その従者全員も含めてプネーに拠点に行政を取り仕切った。
この動きがプネーのカントンメント地域における住宅と政府施設の建設を加速した。

カントンメントと当時の郊外には、西洋式の建物や、ヨーロッパの田園地帯に似せた広々とした邸宅が建ち並び、19世紀の後半には旧市街から明確に分離された「支配階級のエリート居住区」、いわゆる「白人専用」エリアとして、バザールや社交クラブ、競馬場、競技場(Gymkhana)といったレクリエーションセンターも登場、支配力と政治力を誇示した。
当時の様子を知ることのできる歴史書としては、ジャイマラ・ディッデー(Jaymala Diddee)著「Pune: The Queen of the Deccan」(2000年)が挙げられている。

一方の旧市街の人口は1850年代までに10万人となり、ペーシュワー(Peshwa)朝が陥落後の1828年、シャニワルワダ(Shaniwar Wada)砦の内部が火災で全焼、かつては勇猛で無敵とされたマラーター帝国の首都である旧市街の栄光の一部が失われた。

19世紀後半までに、「白い街(Gora XXX)」と呼ばれたカントンメントと郊外では開発工事が進む一方、旧市街は荒廃が進んだ。
当時の英国将校が公式報告として記した記録によれば、旧市街の衛生状態は憂慮すべきもので、腺ペストが旧市街で流行し、数千人が犠牲になった。

当時のことを知る参考文献として、プネー周辺を中心に活動していたプーナ・シティ伝導団(Poona City Mission)を率いたエルウィン神父(Reverend Father Elwin)が残した「Thirty Four Years in Poona City」を挙げている。
その引用としての記述、「プーナ(プネー)の景色と発する音は奇妙かつ多様」は、わたしが初めてプネーを訪れた2001年当時も、強く印象に残った。

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なお、現状に何ら役立つ情報をご提供できていない「ASKSiddhi(アスクスィッディ)」なので、せめて「在ムンバイ日本国総領事館」より日々発信されている州内の状況や州政府による措置に関する最新情報を、今後はこちらにも転載させていただきたい。

=== 以下、同掲題メールの転載 ===
※9月27日付けのメール、件名「海外滞在者の運転免許証の更新に係る特例」

●日本の運転免許証の手続きに関し、以下の案内がありましたので、お知らせします。

 このたび、警察庁より、運転免許証の更新について、海外に滞在されている皆様が活用可能な手続を一覧で公表いたしましたため、お知らせいたします。

警察庁ホームページ「海外滞在者の自動車運転免許証の更新等に係る特例について」
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/menkyo/kaigai_tokurei.html

<措置のポイント(一部抜粋)>
・海外赴任中の方は、更新期間前でも、一時帰国の際に更新することができます。(リンク先画像2枚目)
・期限内に更新できなかった場合でも、以下の2つのいずれかにより、帰国後スムーズに免許の再取得ができます。
1 免許が失効して帰国した際も、外国で免許を取得している方は、視力など簡単な検査のみで日本の免許を取得することが可能です。(リンク先画像3枚目)
2 外国で免許を取得していない方は、失効後3年以内で、帰国後1ヶ月以内であれば、更新と同じ手続で免許を取得することが可能です。(リンク先画像4枚目)
・また、外国等で取得した国際運転免許証等を所持することによって、日本の免許を受けることなく(日本に上陸したときから1年間)、日本で運転することが可能です。(リンク先画像4枚目)
・これらに加え、新型コロナウイルス感染症対策の一環として、有効な運転免許証をお持ちの方は、事前に郵送等で申請いただくことで、運転・更新可能期間を3ヶ月間延長することも可能です(繰り返して申請することも可)。(リンク先画像2枚目)

【問い合わせ先】
在ムンバイ日本国総領事館・領事班
電話(91-22)2351-7101
メール ryoji@by.mofa.go.jp
=== 転載終わり ==


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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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