外出禁止令から約1週間、インド諸都市の空気の質が大幅改善
Posted on 30 Mar 2020 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh
記事中のNGO団体の方の言にもありましたが、経済をこれだけ犠牲にしなくても、コロナ禍が去った後でも、環境や共存のためにわたしたちにできることは必ずあると思います。
インド全土外出禁止令から1週間ほど経過して、プネーでは依然として、ロックダウン前にアマゾンで注文していた洗剤や食材等は届かないものの、あちらこちらから、ここのフードデリバリーやあそこの宅配サービスが開始したよ、との報が入ってくるようになると、少しずつ自宅での生活にも明るい兆しが見え始めてきた。
人間とは、希望を糧にする生き物であることを体感する。
同時に、そんな悠長なことを言っていられない、壮絶な状況に置かれている人々のことも重く考えている。
Not China, not Italy: India’s coronavirus lockdown is the harshest in the world
インドのように多様な人々が暮らす土地では、新型コロナウイルスの急激な感染拡大を防ぐために、ある程度の強硬な措置は確かに必要かもしれないが、モーディー首相のあまりにも無責任な言いっ放し感に、2016年の廃貨措置並みの強い不信感を募らせている。
いつも最も深刻な影響を受けるのは、インドの圧倒的多数の人口を占める、低所得層の人々だ。
その点では、全国から人が集まる首都デリーとは状況が異なるところもあるかもしれないが、ウッディヤウ・タッカレー(Uddhav Thackeray)州首相以下、マハーラーシュトラ州政府の対応は比較的落ち着いていて、突然のロックダウンで運搬人が故郷に帰るなどして人手不足に陥った野菜流通現場が停滞しないような措置や、都市部住民の生活の需要は突入当初から不足がないような諸手配やその発表も淡々と進んでいる印象がある。
安全な自宅があって、そこに留まって普段通りの仕事に従事している身には、ほぼ不自由を感じない。
13億人を対象とした外出禁止令により車やバイク、オートリクシャーなどが道路から消えたことで、デリーを始めインド国内90都市で空気の質が目に見えて改善しているという報道もあった。
Air quality improves in over 90 cities
近所に住む義妹宅の飼い犬を散歩するため、早朝に少し戸外に出ると、甘い花の香りや、夏のはじめを教える空気の匂いを楽しめる。
普段、以下に自分の嗅覚が大気汚染に侵されていたのかを実感する。
インド政府機関「System of Air Quality and Weather Forecasting and Research(SAFAR)」によると、外出禁止令発令後、デリーではPM2.5や窒素酸化物などの空気中有害物質が30%、プネーでは43%、ムンバイーでは38%、アーメダーバードでも50%も減少していることが観測されたという。
具体的には国内諸都市を平均した例年3月の大気質指標( air quality index)が100~200(中程度)だったのに対し、50~100(基準以内)または0~50(良好)に大幅に改善している、としている。
この報告に対し、環境活動家(NGO団体「Care for Air」)は、「大気汚染を解消するために、これほどまでに経済を失速させることは理想的ではないが、しかし大気の質を我々の行動で改善できることは明らかに示してくれた。テクノロジーや低排出ソリューションを採用することで、今後も徐々に空気の質を改善できるといい」とコメントしている。
なお、現状に何ら役立つ情報をご提供できていない「ASKSiddhi(アスクスィッディ)」なので、せめて「在ムンバイ日本国総領事館」より日々発信されている州内の状況や州政府による措置に関する最新情報を、今後はこちらにも転載させていただきたい。
=== 以下、同掲題メールの転載 ===
※3月29日付けのメールは2通あった。
まずは件名「【緊急】インドにおける新型コロナウイルスに関する注意喚起(その29:ビザ延長手続き無料化期間の延長ほか)」
●インド政府によると,3月29日現在のインド国内感染者の合計は979例(死亡25例)となっています。
●インド政府は,2月1日から4月30日の間に失効するインド滞在中の外国人の査証の延長手続きを無料化する旨発表しました。延長を希望する場合は,管轄する外国人登録事務所(FRRO/FRO)にオンラインで申請する必要があるとのことです。日本への帰国を予定されている方のうち,ビザが失効している,または出国までにビザが失効する方は,必ず出国までに延長手続きを済ませてください。
●明30日以降に日本航空又は全日空の臨時運航便で帰国を予定されている方は,搭乗日前日までにご利用各社に必要情報をご連絡いただくようお願いいたします。
在留邦人及び短期渡航の皆様へ
本日29日、在インド大使館が館内の邦人に対して領事メールを以下のとおり発出いたしましたので、お知らせ致します。
(前回(その28)の領事メールからの更新部分は下記1及び2です。)
1 インド政府によると,3月29日現在のインド国内感染者の合計は979例(死亡25例)となっています。州ごとの内訳等は以下をご覧ください。
https://www.mohfw.gov.in/node/4904/
2 インド政府は,2月1日から4月30日の間に失効するインド滞在中の外国人の査証の延長手続きを無料化する旨発表しました(注:従来は4月15日までが対象期間とされていたもの)。延長を希望する場合は,管轄する外国人登録事務所(FRRO/FRO)にオンラインで申請する必要があるとのことです。日本への帰国を予定されている方のうち,ビザが失効している,または出国までにビザが失効する方は,必ず出国までに延長手続きを済ませてください。
3 3月30日以降に予定されている日本航空及び全日空の臨時便をご利用の方は,搭乗日前日までに以下の必要情報をメールでご利用各社にご連絡ください。州境通過等に必要な情報ですので,可能な限り速やかにご連絡ください。なお,以下(i)~(viii)の登録情報はすべて英語で記入してください。
また,遠方(デリー,ノイダ,グルガオン,マネサール以外)からデリー国際空港に向かわれ,前日までに移動を開始される方は,(viii)に出発日,出発地及び主要な経由地を記載ください。さらに,複数の州境を超えてデリーに向かう必要がある方は,個別に大使館までご連絡ください(遠隔地の場合は,同じ日に移動可能な方については,なるべく同じ車両での御移動をお勧めいたします。)。
<必要事項>
(i)搭乗日
(ii) 搭乗される方のお名前(パスポート記載のアルファベット)
(iii)搭乗される方のパスポート番号
(iv)空港まで利用される車両のナンバー
(v)車種
(vi)運転手名
(vii)運転手の携帯番号
(viii)出発地(例:Gurugram, Haryana(通り名,番地,マンション名の記載は不要))(※遠方からの移動のため前日までに移動を開始される方は,出発日,出発地及び主要な経由地)
<連絡先>
(日本航空)thank_you_for_flying_rr@jal.com(※登録専用)
(全日空)delrsvn@ana.co.jp
(日本航空お問い合わせ先)
電話:
(日本語)1800-103-6455,+81-6-7633-4129(国際電話有料)営業時間5:30~15:30〔年中無休〕
(英語)1800-102-4135 営業時間5:30~15:30〔年中無休〕
*デリー準州政府からの指示により上記の通りオフィスアワーが変更されているとのことです。
(全日空お問い合せ先)
電話:(インド国内)000800-100-9274 ※24時間対応 ※通話無料
(インド国外)+81-3-4332-6868 ※24時間対応 ※有料
ウェブ:お問い合わせ窓口[インドにお住まいの方]URL
https://www.ana.co.jp/ja/in/site-help/contact/
4 27日,インド政府は,国内線停止措置を4月14日まで延長することを決定しました。
5 在留邦人,インドご滞在中の皆様におかれては,以下の点にご注意の上,最新情報の入手に努めてください。
(1)中央政府及び地方政府が感染予防のための措置を強化する方向にあり,制度が突然変更される可能性もありますので,十分注意して行動してください。
(2)在インド日本国大使館では在留邦人の皆様からの保健相談を受け付けるための窓口を設置しています。
jpemb-hokensoudan@nd.mofa.go.jp
ご利用に際しての詳細は,以前の領事メールをご覧ください。
(4)インド政府は,3月25日から21日間,全国におけるロックダウン措置を実施しています。警察による取締りが強化されていますので,十分ご注意ください。なお,この措置を受け,領事業務を含め大使館の業務が今後限定的になる可能性があります。
(5)ご自身や周囲の人の感染予防のため以下の点にご注意下さい。
・アルコール系手指消毒薬または石鹸と流水による手洗いを頻繁に行う。目,鼻,口などに触れる前に手洗いをする。
・マスク等の確保に努め,咳やくしゃみがあるときはマスクを着用して鼻と口を覆う。マスクがない場合は,咳やくしゃみのときに口と鼻をティッシュなどで覆い,手洗いを行う。
(各種情報が入手できるサイト)
インド政府広報局ホームページ
https://pib.gov.in/indexd.aspx
インド保健・家庭福祉省公式ツイッター
https://twitter.com/MoHFW_INDIA
インド入国管理局ホームページ
https://boi.gov.in/
在日インド大使館ホームページ
https://www.indembassy-tokyo.gov.in/jp/index_jp.html
外務省海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/
厚生労働省ホームページ:新型コロナウイルス感染症について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
首相官邸ホームページ:新型コロナウイルス感染症に備えて
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html
(お問い合わせ先)
在インド日本国大使館
電話:011-4610-4610(代表)
email:jpemb-cons@nd.mofa.go.jp
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次に、件名「【緊急】日本航空による臨時運航について(その7:本29日JAL臨時運航便をご利用の皆様へ)」
本29日,在インド大使館が管轄内の在留邦人あてに以下の領事メールを発出したので,お知らせします。
4月14日までの全国的なロックダウン実施の下で国内線の運航が停止されており,当館管轄内の在留邦人の皆様,御旅行中の皆様が自宅(ホテル)待機を要請されていることから,デリーまで移動することができない状況にあることを踏まえ,参考情報として案内させていただく次第です。
在留邦人及び短期渡航の皆様へ
●本29日のJAL臨時運航便に関し、インド外務省は関係当局に対し、同便を利用する邦人のデリー国際空港への移動を許可するよう求めました。以下リンクのとおりインド外務省が州政府関係者に送付したレターを送付いたしますので、本29日のJAL便をご利用の方はお持ちください。同文書は、インド政府の公文書ですので、適切な取扱いをお願いいたします。州境管理が強化されている模様ですので、困難に直面した場合は大使館にご連絡ください。
https://drive.google.com/file/d/1ETQ8OOHuZCoghMUTV8R82u4PrXt_dGc1/view?usp=sharing
●また、27日付け領事メールのとおり、在インド日本大使館は、日本航空又は全日空の臨時便で帰国を予定されている邦人及びそのドライバーの移動を許可することを要請する大使館発のレターを以下リンクのとおり発出しております。州境や市内の検問の通過のため、上記インド外務省発レターと併せお持ちください。
https://www.in.emb-japan.go.jp/PDF/Updated_Embassy_letter.pdf
●臨時運航便に関し、空港等への移動に困難を伴う場合には下記アドレスまでメールをお送りのうえあらかじめお知らせください。
india.sales@jal.com
●観光等で一時的に滞在中の方や、日本に早期帰国の必要がある方等は、早めの出国をご検討ください。
(日本航空お問い合わせ先)
電話:
(日本語)1800-103-6455、+81-6-7633-4129(国際電話有料)営業時間5:30~15:30〔年中無休〕
(英語)1800-102-4135 営業時間5:30~15:30〔年中無休〕
*デリー準州政府からの指示により上記の通りオフィスアワーが変更されているとのことです。
(各種情報が入手できるサイト)
インド政府広報局ホームページ
https://pib.gov.in/indexd.aspx
インド保健・家庭福祉省公式ツイッター
https://twitter.com/MoHFW_INDIA
インド入国管理局ホームページ
https://boi.gov.in/
在日インド大使館ホームページ
https://www.indembassy-tokyo.gov.in/jp/index_jp.html
外務省海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/
厚生労働省ホームページ:新型コロナウイルス感染症について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
首相官邸ホームページ:新型コロナウイルス感染症に備えて
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html
(お問い合わせ先)
在インド日本国大使館
電話:011-4610-4610(代表)
email:jpemb-cons@nd.mofa.go.jp
=== 転載終わり ===
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インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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