交通規則をなんとかして守ってもらうため、プネー交通警察がとっておきの秘策

 

Posted on 23 Jul 2019 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

これからは警察に止められたら、褒められるためなのか叱られる(罰せられる)ためなのか、どちらか分からなくてドキドキしそうです。



プネーはムチでなくアメを選んだ。

誰も見ていなければ、つい信号無視をしてしまいたくなることは誰しもあるが、インドは交通ルールを守る人の方が少数派なため、このままでは道路事情は悪化するばかりだ。
そこでプネー交通警察署(Pune Traffic Police Department)では、市民の命を守るための最終兵器を取り出した。
それは、違反者たちにはこれまで通り罰金を科す一方、交通規則を守っている人には商品券をプレゼントするというものだ。
「The Better India」が伝えていた。

Obey Traffic Rules, Get Discount Coupons: Pune IPS Officer Rewards 15000 Citizens!

しかもこの措置はかなりの効果を上げており、たった1ヶ月で1万5,000人以上の市民が商品券を獲得しているという。

交通警察署によれば、これまでのようにパトロールを強化して罰則を厳格化しても、市民の恐怖心をあおるだけで規則を遵守させるという肝心なところに効果が上がらなかった。
さらに、「法律を破る市民に罰則があるのに、法律を守る市民には何もないのはおかしい」という視点が、このアイデアが生まれたきっかけになったようだ。

では、交通規則を守る市民には、どのように報酬が配布されているのか。
交差点を守る交通警察は、規則を守った市民を丁重に呼び止める。
ナンバーと免許証から照会し、過去の違反履歴がなければ、プネー市内のレストランで100ルピーの割引が受けられるクーポンのコードをもらえる。
とは言え呼び止められた市民は一瞬、表情が引きつるというが、まあ無理もないだろう。

ちなみに、規則を守ると商品券をもらえるキャンペーンに現在のところ終了日はなく、しばらく実施される模様だ。

実際に商品券をもらった市民は、「長年、バカにされながらも愚直に交通規則を守ってきた甲斐があった」と喜ぶ。

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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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