昨年9月に公開された「Forbes」ウェブ版の記事によると、 「女性航空機操縦士協会（Society of Women Airline Pilots）」がまとめた調査結果として、インドは民間航空機の操縦士（パイロット）に女性が占める割合が世界最高水準となっていることが分かった。

You'll Never Guess Which Country Has The Most Female Pilots

これを受けて「The Better India」では、2012年の統計で「女性にとって最悪の国」ワースト1にランキングされたインドの航空業界で男女機会均等が進んでいる理由について分析していた。

Women In The Sky: 4 Reasons Why India is a Trailblazer For Gender Equality in Aviation

民間航空機の操縦士全体に占める女性の割合が世界平均5.18％となっている中、インドは12.4％を女性が占めている（同調査によれば日本は5.6％）。

インド人女性が初めて飛行機で空を飛んだのは、1936年に21歳にしてセスナ機「ジプシー・モス（Gypsy Moth）」での単独飛行に成功したサルラ・タークラル（Sarla Thakral）氏。
その後、民間機（Deccan Airways）の操縦士に女性が初めて就任したのは、1947年のプレム・マトゥール（Prem Mathur）氏とされている。

最近の話題では2017年3月8日、エア・インディア（Air India）デリー発サンフランシスコ便が、機長クシャーマーター・バジパイ（Kshamata Bajpai）以下乗務員全員女性で最長の直航便ルートを飛行したとして世界記録を樹立した。

多くの人が航空機で旅行する時代となり、操縦士への需要がかつてない高まりを見せている。
これを背景に、全国に次々と設立されている養成学校では、操縦士を志す女性が続々と入学している。

こうした女性操縦士の進出に、インド航空業界がどう応えているのか。

まず、26週間という妊産婦休暇の充実だ。
2017年制定の出産給付金法（Maternity Benefits Act）施行以前は12週間だったところ大幅に延長した。

第2に、フレキシブルな勤務時間や手厚い手当ての支給だ。
例えば、女性操縦士の積極採用だけでなく、長く働いてもらうための保育所の完備や、妊娠中の操縦士をデスクワークに一時的に配置換え、また飛行できない間の給与減少があった場合の特別給付金などを提供している。

第3に、同等の経験年数を持つ男性操縦士と、給与面での差がないことで、これはかなり大切な点だろう。
インド航空業界の操縦士の平均月収は、個人の経験、能力、そして所属する航空会社や操縦する機材に応じて30万ルピーから80万ルピーとなっており、男女差は一切ないという。

第4に、インドの航空会社は全社で、操縦士を含む女性従業員全員に対し、午後6時から翌朝6時までの間に出退勤する場合の送迎をつけているが、その際は武器を携行した護衛が同乗することになっている。

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