ディズニーアニメ実写版「美女と野獣」のベルが着る衣装は、なんとグジャラート州産

 

Posted on 23 Mar 2017 23:00 in エンターテインメント by Yoko Deshmukh

この噂はどこかで耳にしていて、ぜひ映画館で確かめたいとずっと思っていました。とても美しいアリ刺繍を手掛けたのは兄弟職人でした。



※画像は「The Better India」がYouTubeから取り込んだものと記載しているものを借用。
 

プネーでも今月17日から公開中の、エマ・ワトソン(Emma Watson)さん主演のディズニーアニメのリメイク版作品、「Beauty and the Beast(美女と野獣)」で、ベルが着ている衣装の一部をグジャラート州の刺繍職人が手掛けたことを、おなじみ「The Better India」が伝えていた。

Meet the Gujarat Artisans Behind Emma Watson’s Costumes in the New Beauty and the Beast Movie

「Beauty and the Beast」プネーでの上映スケジュール

映画ファンの中では「最も美しい衣装」と称される、ベルが図書館のシーンで着ているドレスの胴着部分の身頃には、グジャラート州ブージ(Bhuj)の職人兄弟、カサム・サンガル(Kasam Sangar)さんとジュマ・サンガル(Juma Sangar)さんが、同映画のアシスタント衣装デザイナー、シネイド・オサリバン(Sinéad O’Sullivan)さんの依頼を受けてフランスの花々をモチーフとした細やかな刺繍をあしらっている。

シネイドさんは普段から、世界中の衣料品業界におけるサプライチェーンの透明性と倫理的な調達を促進するために取り組む「#whomademyclothes」キャンペーンを展開している。
 



いっぽう、ともに10代の頃から刺繍に取り組むサンガル兄弟は、複雑な技術を要する精緻なアリ(Aari)刺繍を、この世界では有名な熟練職人で、2人の亡くなった父でもあるアダム・サンガル(Adam Sangar)氏に師事して学んだ。

ただし刺繍職人の後継者不足が深刻化していることもあり、サンガル兄弟は刺繍枠を採用したり、伝統的に用いられてきた木製の弓針をかぎ針に置き換えるなど、革新の余地を創出して新規参入者を増やす努力をしている。

イギリスのウォーリック大学(University of Warwick)による聞き取り調査で、カサムさんはアリ刺繍の豊かな歴史と、非常に手の込んだ複雑な文様に要する技術は、生産地であるブージおよびその周辺ではあまり顧みられることがなくなった半面、近年は海外で注目されたことをきっかけに輸出が伸び、また博物館や展示品としても海を渡っていることを明かした。

サンガル兄弟の手によるアリ刺繍のほかにも、ベルの象徴的な「赤いケープ」をはじめ、主演女優であるエマ・ワトソンさん自身の希望と、同作品のチーフ衣装デザイナー、ジャクリーン・ドゥラン(Jacqueline Durran)氏の承認の下、「可能な限り倫理的で公正な取引による持続可能な布地」を重視し、インドで相当量の衣装調達が行われたとシネイドさんは語っている。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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