海外のシングルペアレントのもとへ海を渡って行ったビハールの子たち

 

Posted on 24 Mar 2017 23:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

人が生きるという基本的なことと、すべての子供は温かな家庭で育つ権利があるということ、このバランスが成立するならば、両親でなくてもちろんいいのだと思います。



今月はじめに、インドとオーストラリアを舞台とした実話に基づく映画「Lion」を鑑賞してから、国境を越えて養子縁組についての記事に、これまでよりも一層、引きつけられるようになった。

本日は「The Hindustan Times」で、これまで越境縁組の例があまりなかったビハール州からも、少しずつ孤児たちが海外の養親に引き取られている事例を紹介していた。

Bihar girls find homes in Spain, New Zealand

記事では昨日(2017年3月23日)、同州バーガルプル(Bhagalpur)の女の子、それぞれ4歳と7歳の2名が、パトナー(Patna)の州立養子縁組あっせん機関「PatnaのState Adoption Resource Agency(SARA)」を通じ、スペインとニュージーランドの新しい家族のもとへ引き取られていったことを伝えていた。

1994年のミス・ユニバースであり、ボリウッド俳優でもあるスシミタ・セン(Sushmita Sen)の例を挙げるまでもなく、インドはシングルペアレントとの養子縁組を認めている数少ない国だ。
今回の2人も、それぞれスペイン農務省勤務の女性と、ニュージーランドの臨床心理学者の女性、いずれもシングルペアレントの家庭に迎え入れられた。

ただし外国人による養子縁組は、複雑な法的な手続きを要し、数カ月はかかるという。
今回は最終的に、国の養子縁組機関、「Central Adoption Resource Authority(CARA)」の介入により、家族が結びつけられた。

SARAによれば、州内には現在21の公認養子縁組機関があり、189名の子供たちが里親を待っており、うち103名の子供の手続きが完了しているものの、海外に引き取られる子は9名に過ぎない。

いっぽう、日本では特別養子縁組により里親のもとに引き取られる子供の数は非常に少なく、多くの子が児童養護施設などで育つという。

「特別養子縁組」が日本で広がらない理由 支援団体代表が語る、アメリカとの子育て意識の違い(Cyzo Woman)

子供のこと、養子のこと、地球の人口のこと、もやもやと頭の中で考えていたわたしにとって、映画「Lion」は大きな気づきをくれた作品のひとつだった。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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