トイレをきれいにしつつ悪臭から救う、画期的なソリューション

 

Posted on 30 Jan 2019 21:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh

トイレ掃除が趣味の域であるわたしにとって、大変興味深い話題でした。※写真はミカンが大好きだった実家の飼い犬、たこちゃんと。



誰だって、臭いトイレを使うのは嫌だ。

ジャールカーンド州ジャムシェードプルでは、オレンジの皮から抽出した天然の成分を原料とした安価なトイレ用洗剤を製造する実験が行われていることを、「NDTV」が伝えていた。

Citrus Fruit Waste To Keep Public Toilets Clean In Jamshedpur

同州ダーンバード(Dhanbad)にあるインド工科大学(Indian Institute of Technology:IIT)ダーンバード校出身者らを中心とする研究グループが立ち上げた新興企業、「ToWaSo(Towards Solution)」が開発した。

鉄鉱の町として知られるジャムシェードプル市内には58カ所に公衆トイレがあるが、耐え難いニオイに周辺住民からの苦情が相次ぎ、対策として環境への影響が懸念される化学系洗剤が多量に使用されていた。

一般的な化学系洗剤は、便器やタイルの洗浄後、排水として流れることで、下水を効率的に分解してくれる有益な微生物も殺してしまうために、余計に臭気を発生させていた。

安価で環境への影響が少ない対策を相談された「ToWaSo」の研究チームが注目したのが、同市自治体(Jamshedpur Notified Area Committee:JNAC)がもうひとつ頭を悩ませていた問題である、周辺のフルーツジュース屋台業者による、果物の搾りかすや皮の投棄だった。

果物のクズを低コストで画期的な消臭剤として活用すれば一石二鳥になると、設立者であり主任研究者のサウラーブ・クマール(Saurabh Kumar)さんが開発に乗り出した。

試行錯誤を重ねて誕生したのが、オレンジやライム、レモンなどの柑橘系果物のかすから抽出する酢酸を由来とする、化学物質を含まない完全に環境に優しい「バイオトイレ洗剤」だ。

まず、屋台やフードコートでフレッシュジュースを販売する業者から、柑橘類の搾りかすや皮を回収、プラスチック製のドラム缶に貯蔵して微生物を含む水と混ぜ、3~4週間置くと、加水分解と酸酸性による複合プロセスで、バイオ酵素となる酢酸溶液が得られる。
この溶液をバイオ酵素トイレクリーナーとして清掃に用いると、トイレが綺麗に保てるだけでなく、浄化槽や糞便汚泥処理設備でバクテリアの分解作用を助けるため、悪臭を防止できるとしている。

大規模製造用のプラントを設立するための初期費用として、まずは2万ルピーが必要と見積もっている。
ToWaSoではこの3カ月間で600キログラムを超える果物かすから5,400リットルのトイレクリーナーを製造した。

JNACでの試行導入の成果を見て、まもなく市販する予定としている。


ToWaSoのFacebookページ

 

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Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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