大雨でもなんでもないのに突然洪水が発生する、それが「インド中堅都市」プネーの実態だ。
昨日(2018年9月27日)午前11時ごろ、下町のスィンハガド・ロード(सिंहगड रोड)のダンデカル(दांडेकर पूल)貯水池付近でムター(मुठा)川護岸堤防が何らかの原因で突然決壊し、付近の住宅街に水が押し寄せるという災害が発生した。
Mula Mutha canal breach flood: Braveheart cop plunges into action; saves stranded Janta Vasahat residents - Pune Mirror
たまたま昼にテレビニュースをつけていたら、大規模な洪水の報道が目に飛び込んできたが、まさか我が街プネーだとは当初まったく思っていなかった。
洪水が発生した地域は付近にスラム街もあり、作りの弱い住居が密集しているため、幸い怪我人等は出ていないものの相当数の人々が被害に遭っているようだ。
ちなみにプネーはモンスーンがほぼ明け、少なくともこの2週間は晴れや曇りの日が多く、まとまった雨は降っていない。
真っ青な灼熱の青空の下、無意味に轟音を上げて流れゆく濁流(報道では1,277キューセック=毎秒1,277立方フィートの流量)に飲み込まれる建物や乗用車、バイクなどの乗り物を伝える映像に、恐怖以上に唖然とした。
そうした中、膝までの高さで流れる水に自ら飛び込み、人々を救済した28歳の警察官が称えられている。
ニーラム・ガイクワド(Neelam Gaikwad)さんは、この地域を管轄するダッタワディ(दत्तवाडी)警察署に勤務する女性警察官だ。
同僚によれば、普段から、交通規制から酔っ払いの保護、そして犯罪者の身柄確保まで、1人で黙々と最前線に向かい、難しい任務にも果敢に対応しているという。
まるで現在Netflix Indiaで放送されている連続ドラマ「Sacred Games」で主役を務めるサイフ・アリ・カーン(Saif Ali Khan)扮するサルタージ・スィン(Sartaj Singh)のようではないか。
昨日、鉄砲水が道路や家屋に流れ込んでいるという通報を受けた時も、真っ先に飛び出したのはニーラムさんだった。
「現場に駆け付けると、瞬く間に冠水する一帯に、なすすべもなく逃げ遅れた人たちが取り残されていたが、救助の到着は遅かった。そこで持ち物を通行人に預かってもらい、靴を脱いで(※水中の危険物を踏んでしまう恐れがあるので、必ずしも正しい行動ではないと思われる)水の中に入ろうとしたが、その間にも水位は激しく上昇し、溺れかけている人もいた。近くの自動車整備小屋でタイヤを掴み、これをロープに結び付けて投げた」
ニーラムさんによれば、洪水の水位が膝の高さを超えると、立っているのが非常に難しいほどの水圧に晒される。
まずは子供たちを救うべく、果敢に水の中に入ったニーラムさんは、見えなくなった子供を探してパニック状態になった母親たちを宥めつつ、孤軍奮闘しながらも冷静に救助活動を続けた。
「水は私の胸の高さまであったので、非常に危険な状態だった。子供たちは肩車して救出した」
ニーラムさんは最終的に、救急車や消防車、他の警察官が続々と救助に参加するまでの2時間で、15名の住人を救った。
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