本日は、ガナパティ・バッパ(ガネーシャ)が帰ってしまう「ヴィサルジャン(गणेश विसर्जन )だ。
「ヴィサルジャン」とは、ガネーシャの生誕祭とされるチャトゥルティ(गणेश चतुर्थी)から10日目にガネーシャ様が水に「浸かること」、つまり海や川に戻り、そのまま天界に帰っていくことを意味していて、インド占星術的な意味合いでは月例14日目にあたり「アナント・チャトゥルダシ(Anant Chaturdashi)」とも呼ばれている。
なぜインドでガネーシャ祭りが10日間祝われているのかについては、まだインド移住以前の15年も前、ちょうどガネーシャ祭りの機会に、インドのウェブ記事をそのまま訳していた記事があった。
ガネーシャ祭り - 2003.8.29
当初2日間だったイベントを、ティラクが独立運動と結び付けて10日間に拡大したのは、インド天文学的な節目とチャトゥルティとを組み合わせたものだったのかなと想像している。
ともかくガネーシャ祭りこそが、特にムンバイーやプネーをはじめとするマハーラーシュトラ州西部のヒンドゥー教徒にとって、ディワリに匹敵するかそれを上回る、非常に重要な年中行事であることは事実だ。
チャトゥルダシはイケてる芸能人にとっても外せない重大イベントで、今年のウェブ新聞にもセレブたちがバッパを見送るという記事が掲載されている。
Ranbir Kapoor leads Kapoor family at final Ganpati Visarjan at RK Studio. See pics, videos - Hindustan Times
ところが実は、同じマハーラーシュトラ州でも夫は東部出身のため、実家ではガネーシャ祭りをこれほど盛大に祝う習慣がない。
バッパ滞在期間は半日から長くても1.5日ほどの短さ。
この地方では、どちらかと言えばチャトゥルダシと同じころに祝われる、パールバティの生まれ変わりガウリを祭る「ガウリ・プージャー(こちらもプージャー後には川や海に流されることがある)」の方が重視されている感じがする。
Ganesh Chaturthi: Here’s the significance of Gauri Pujan
したがって、プネーにおけるこのお祭り騒ぎを、夫などは主体としてではなく、外国人などと同じように傍観者として楽しんでいるようなところがある。
プネーやムンバイーが大都市だから、規模の大きなイベントで群衆を動員しやすいという点もあるかもしれないが、同じ州でも同じ祭りに対しての温度差があるのは興味深い。
なお、インド西部、アラビア海に面したコンカン地方には、まさにガネーシャの名前を冠した「ガナパティプレ(Ganapatipule)」という小さな漁村がある。
ここでのガネーシャ祭りの祝い方はかなり壮大なものだと聞いているので、いつかこの時期に訪れてみたい。
今年はチャトゥルティの日に、マレーシアのペナン島にある同国最大級というインド人街で運よくプージャー(Puja、祈祷)に遭遇するという贅沢な体験をした。
そして締めくくりの本日、チャトゥルダシにはプネーの下町にガナパティ・バッパを拝みに行ってみた。
途中で、Rちゃんが自分の大学やプネー大学に留学している日本人学生さんたちを引率し、案内しているところに遭遇した。
日本人学生さんたちとは、ギラギラの日差しが降り注ぐ、大混雑の路上で、辛うじて立ち話ができただけだったが、思いがけず楽しい時間だった。
相変わらず何の編集も施していないラフな動画で恐縮だが、今年わたしがラクシュミー・ロード付近で目撃した午前中のヴィサルジャンの模様を、以下でお楽しみいただけたらうれしい。
Ganesha Visarjan Pune 2018, the most powerful group
Googleさんが勝手に作ってくれた今年のハイライト動画
お時間のある方は「バッパ!また来年!」プレイリストもご覧ください。
おまけ: Ganesha Chaturthi Penang, Malaysia 2018
ペナン島インド人街で遭遇した「今年も降臨!バッパ~!」プレイリストはこちら。
午前中は、プネーでも古くからいらっしゃるバッパの見送りが行われていた。
見送りは夜通し続き、バッパ全員を見送るのには、
最終的には月曜日の夕方までかかる。
バッパをお見送りした後の道には、マリーゴールドの花びらでできた黄色いじゅうたんが。
動画に登場する太鼓隊やパフォーマンス隊が通った後には、カバン持ち隊が。
祭りと言えばランゴーリ(色砂で描く吉祥紋)。
現在まさに制作中。
動画にも登場したが、ラクシュミーロード(Laxmi Road)から
JMロード(Jangli Maharaj Road)に至る全長1キロ近くの、
バッパ巡行路に、瞬く間にランゴーリのレッドカーペットが描かれ度肝を抜かれた。
人混みが少ないこともあるが、これを目撃するために午前中を狙った。
なお、後方には、まさにこの道を通らんと担がれてきた、
プネー最古のバッパ、カスバ・ガナパティの神輿が見えている。
吉祥紋いろいろ。
短時間で実に繊細に描いていく様は、ぜひ動画で見ていただきたい。
これは銀行やお店がスポンサーしたランゴーリ。
いい宣伝になるね。
巨大なランゴーリ。