インドから15カ国へ、「太陽の力」をおすそ分け

 

Posted on 13 Mar 2018 21:00 in インドの政治 by Yoko Deshmukh

太陽光エネルギーの活用促進にインドが先頭を切る流れができているのは、個人的にとてもうれしいです。



数日前、ディーウでは太陽光発電設備により全電力需要の自給に成功したと言う話題を紹介した。

インドで初めて、ディーウで完全太陽光発電による電力自給を実現 - ASKSiddhi

そして本日は、モンスーン季の一部時間帯を除き、国土のほとんどで日差しがたっぷりと降り注ぐ「太陽の国」インドから全世界へ「太陽光の分かち合い」、つまりソーラー技術支援を提供するというインド政府の提案について、「The Hindu」電子版が伝えていた。

India commits $1.4 billion for solar energy worldwide - The Hindu

エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)フランス大統領訪印中の先週、マクロン大統領とナレンドラ・モーディー(Narendra Modi)インド首相を共同議長としてデリーで開催された、国際太陽光同盟発足会議(Founding Conference of the International Solar Alliance)の場で、インド政府は、国内での危急の課題解決に加え、15カ国を対象に太陽光エネルギー活用に対する技術支援を投じると約束した。

2015年11月に締結されたパリ気候変動協定で、インドはフランス政府とともに世界195カ国の先頭に立ち、温暖化に伴う地球の気温上昇を食い止め、2100年までに平均気温を摂氏2度下げることを目標とする共同声明に署名した。

マクロン大統領は昨年、著書「革命(Revolution)」の中で、「環境保全のための闘いは、とりわけ政治的なものであり...(中略)地球温暖化の存在を否定する気候変動懐疑派は依然として存在する」と言及するように、気候変動問題への取り組みに特に注力している。

インドは15カ国で展開されている27のプロジェクトに対し、安価な太陽光エネルギー利用を実現するための技術に、14億ドル相当の融資を行うとしている。

56カ国が加盟する国際太陽光同盟では2030年までに、全世界で1テラワット(TW)の太陽光発電を達成することを目標として掲げ、10項目から成る行動計画を発表した。
モーディー首相はその際、パリ協定調印時の公約通り、インドは2022年までに、再生可能エネルギー源から175ギガワット(GW)(うち太陽光エネルギー100ギガワットを含む)のエネルギー生成を達成すると約束、また引き続き再生可能エネルギー技術の開発と導入のため、2030年までに1兆ドル以上の(合意や調印に基づく)譲許的資金調達方法による投資が必要となるとした。

一方でマクロン大統領は2022年までに、開発途上国の太陽光エネルギープロジェクトへの融資と資金援助として7億ユーロを拠出すると発表した。

加えてインド政府は、排気ガスによる悲惨な大気汚染や化石燃料の使用を段階的に抑制し、国内での再生可能エネルギーの開発と採用を促進するため、統一税(Goods and Services Tax:GST)免税措置をはじめとする奨励策を導入するとしている。

個人的には、超軽量高効率ソーラーパネルの開発が進み、インドで走るすべての車が屋根上にソーラーパネルを取り付け、太陽光による蓄電池で走るようになったらいいのにな、と夢想する。





                



About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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