日曜日の朝。
インド映画界で揺るぎない人気を保ってきた大女優のシュリデヴィ(Sridevi)さんが、姪の結婚式のために訪問していたドバイで、突然の心停止により急逝したという、あまりにも悲しい知らせで幕を開けた。
Legendary Bollywood actor Sridevi passes away in Dubai, she was 54 - Times of India
神様は、まだ54歳という若さと美貌を保ち、人気を誇ったスクリーンの女神を、あまりにも早く御許に召されてしまった。
昨年の大晦日、近年の代表作で日本でも公開された「English Vinglish(邦題:マダム・イン・ニューヨーク)」のDVDを、帰省先の福岡で母と一緒に鑑賞して、その美しさと堂々たる演技にすっかり魅了された。
新年はライスケーキ・イン・ザ・スープで幕を開ける - 2018年1月1日
シュリデヴィさんのことを初めて知ったのは、インドに渡航する前に予習として買った本、「河童が覗いたインド」の中だ。
真っ白で美しい牛に、農夫が「シュリデヴィ」と名前を付けるほど南インドでは人気の女優だ、というような記載があり、白黒映画時代の昔の女優さんなのだろうな、と勝手に勘違いしていた。
わたしは、これまであまりインド映画を観ていなかったツケで、すばらしい女優や俳優の存在を、新聞の三面記事以外には、よく知らないで過ごしてきた。
そんなわたしにとっても、シュリデヴィさんの輝く笑顔は、心を奪う得も言われぬ魅力に満ちていた。
午前中、プネー旧市街に出掛ける用事があった。
シュリデヴィさんがいなくなったインドの街は、変わらず日常の営みを繰り広げている。
しかし、インドがまさに大きなダイアモンドを失ってしまったのだな、という心のフィルターを通して見る街は、その色彩がくすんでみえるようだった。
昨年には「Mom」も公開され、さすがに往時ほどの勢いはなくとも、スクリーンにあふれる魅力を放ち続け、求められ続けていたシュリデヴィさんにとって、あまりにも突然の旅立ち。
端正なお顔を思い浮かべる度に、いつ終わるともしれない人生、限られた時間の中で、心から好きなこと、思い切り情熱を傾けられるものに、100%のエネルギーを注いで過ごさなければならないよ、と言われている気がしている。
シュリデヴィさんに関して、ASKSiddhiで取り上げていた過去の記事を発掘した。
だいぶ以前の、やや義務感で更新していたようなころの記事が含まれており質が安定しておらず、少し恥ずかしいが、わたしなりの追悼を兼ねて貼っておく。
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