三方よしの農業ビジネス、インドや世界を救う可能性
Posted on 17 Jan 2018 22:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh
この仕組みには個人的に、静かに興奮しました。
農場を建て、畑を耕し、苗を植え、農作物を収穫するという、農業を一通り仮想体験できるゲーム、「Farmville」の「実写版」とも言える試みが、ベンガルール郊外の農業用地で始まっている。
「The Better India」が伝えたところによると、都市に住みながらも、農業をはじめとする環境に関心を持つ人は年々増えており、そうした人々を対象に、持続可能かつ長期的な生活の選択肢としての、半バーチャルな農業体験を提案する「Farmizen」と呼ばれるイニシアチブを、3人の若者が立ち上げている。
Want a Farm of Your Own? Get This App to Make That Dream Come True - The Better India
このイニシアチブに参加する人は、スマートフォンにアプリをダウンロードしてアカウントを作成するだけで、自宅近所にある共同ファームに小さな農業用地を与えられ、そこで好きな野菜を栽培することができるシェアードサービスだ。
利用者は毎月定額の利用料を支払えば、専門家からの管理と助言を受けながら、気軽に野菜を栽培できる。
しかも実際の栽培には、それぞれ担当の農業従事者がつくという手厚さだ。
また、利用者同士でチャットしたりといった社交機能も備えている。
実った農作物は、自分で収穫することも、または収穫を代行してもらい、自宅まで届けてもらうこともできる。
料金はおよそ66平米で月2,500ルピー前後だという。
Farmizenを開始した共同設立者のひとり、シャミーク・チャクラバルティ(Shameek Chakravarty)さんは、サービスについて次のように語っている。
「農薬や化学肥料を使わない有機農産物を求める割に、色や形が悪い収穫物が売れず、廃棄されている現状を知った。消費者として、その責任を担わなければならない。ならば自分で有機農作物を作ってもらうことで、消費者を教育し、意識を高める方法が最も効果的だと考えた。」
つまり、都市の住民の需要を満たしながら、農業や農作物の栽培に関する啓発・啓蒙をすると同時に、農業従事者に安定した雇用と収入源を提供しようとする、画期的な試みだ。
この仕組みを自律させ、持続的に運営することは、簡単なことではないだろうが、インドの若年層が、続々と新しい発想で、新しいビジネスを立ち上げていることを知ることができる。
万一、このイニシアチブが長く続かなかったとしても、アイデアはすばらしいので、受け継がれていけばいいなと思う。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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