イスラエルを訪問したモディ首相に、思わぬ面会者

 

Posted on 10 Jul 2017 23:00 in インドの政治 by Yoko Deshmukh

あの事件の衝撃は、今でもありありと記憶しています。恐怖と憎悪の渦巻く異常な状況で生き残った子が、それでもインドに戻ってきたいと言ってくれていることが、心に沁みます。



※ムンバイの空 on 17th June, 2017
 

今月4日から6日にかけてイスラエルを訪問していたナレンドラ・モディ首相のもとに、思わぬ面会者があったことを、NDTVが伝えていた。

'Dear Mr Modi, I Love You': When PM Met 26/11 Survivor Moshe In Jerusalem

2008年11月26日にムンバイのフォート地区を襲った連続無差別テロ事件に遭遇したものの、救出されたイスラエル人のモシェ・ホルツバーグ(Moshe Holtzberg)くんだ。

現在11歳のモシェくんは、イスラエルから90キロほどのアフラという街に、祖父母とともに暮らしている。
2008年、2歳の誕生日を迎える直前にテロ事件に巻き込まれ、両親を失った。

ヒンディ語で「我が国へようこそ」とモディ首相を迎え、「インドの人々を愛している」などと綴った手紙を読み上げた。

モシェくんはテロの発生当時、シナゴーグやユダヤ教関連の教育センター、簡易宿泊施設などを収容するナリマン・ハウス(Nariman House https://en.wikipedia.org/wiki/Nariman_House)、またの名をチャーバード・ハウス(Chabad House)として知られる建物に、理事として管理を任されていた両親とともに暮らしていた。

建物がテロリストに襲われた時、モシェくんは乳母のサンドラ・サミュエルズ(Sandra Samuels)さんのとっさの機転で身を隠すことができた。
卑劣なテロ攻撃で160名以上の人々が命を落とし、全インドが怒りと悲しみに包まれた中、小さなモシェくん救出の一報は、「ベイビー・モシェ」として暖かな安堵とともに国民の記憶に残ることになった。
現在、サミュエルズさんはイスラエルの名誉市民権を与えられ、エルサレムで働いている。

「インドの人たちの愛のおかげで、僕は生きることができた。その愛をずっと忘れないでください。僕の両親を忘れないでください」モシェくんはモディ首相への手紙の中にこう綴った。

将来はチャーバード・ハウスの理事として、ムンバイに戻ることを希望していると結んだモシェくん。
モディ首相は「君はいつでもインドに戻ってこれるようにしよう」と応じた。

祖父によれば、テロ当時のことをあまり語らないモシェくん。
「ただ、チャーバード・ハウスは僕の家だ、とずっと話しています。彼が13歳になったら、ムンバイを訪問する計画を立てているんです。」祖父は語った。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



Share it with


User Comments