すべてはここから始まった。そう言える日を目指して走り出したラーダちゃん

 

Posted on 11 Jul 2016 23:00 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh

初来日のラーダちゃんを乗せた飛行機が、福岡空港に到着した日。すべての運命が変わり始めた日。



日本から帰国してから2日間ほど、プネの我が家に滞在した後、お迎えのパパと一緒に、田舎町アコラへと帰って行ったラーダちゃん。
今日、電話で「元の暮らしに戻った感想はどう?」と聞いたら、「何を言ってるの、もう元の暮らしになんか戻れっこないわ!わたしは変わったの、必ず日本に戻るために、がんばるんだから!」と言っていた。

旅の後半、特に成田空港あたりから、「マミ(マラーティー語で「伯母さん」にあたる呼び名)、日本で生まれ育ったのに、今はインドで暮らしているけど、辛くならないの?」、「インドは日本と正反対で、何もかもがめちゃくちゃで、すごく大変でしょう、なのに嫌にならないの?」と聞いてくるようになった。

はい、辛いですよ、しかも年を追うごとに、辛さの実感がアップしているよ。
嫌になるよ、もちろん、インドの何もかもが。
だけど、わたしには何と言っても助けてくれるシッダールタさんがいるからね、いいとこ取りして、時々は日本などの海外に逃亡して(笑)、好きなように楽しく暮らしているかもね。


そんな風に答えていた。
するとラーダちゃん、「わたし、インドのトイレの汚さに閉口するわ。旅をするときは、なるべくトイレに行かなくていいように、我慢してしまうもの。それにひきかえ、日本にはトイレがあらゆるところにあるし、しかもどこも、とってもきれい。インドはこんな風には決してなれないわ」とため息をつく。

これってチャンスだよ。
わたし今まで、トイレが汚くて嫌だな、って思ってるの、わたしみたいな外国人だけだと思ってたよ。
だけどラーダちゃんみたいに、インドで生まれ育った人でも、そう思ってるなら、変えられる余地があるってことだよ。
どこに行ってもトイレがきれい、これって、トイレが勝手にきれいになっているわけじゃないよね。
必ず誰かが掃除をしてくれているってことだよね。
使った誰かが、次に使う誰かの人のことを考えてるってことだよね。
その「誰か」に、まずは自分がなってみればいいんじゃない?
まずは自分の家のトイレ掃除から、がんばってみなよ!
小さいことからコツコツ、それが世界を変える第一歩なのかもよ。
せっかく自分の国と日本、2つの国の違いを知ったのだから、いいとこ取りして、生きて行こう!


ラーダちゃんは、さっそく自宅のトイレ掃除を習慣にすることにしたそうだ。
そんなラーダちゃん、来年には、わたしたちの助けを借りず自力で日本に戻って来られるよう、闘志を燃やしている。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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