インド版GPS、IRNSSの7基目衛星打ち上げに成功で、宇宙開発に歴史刻む
Posted on 28 Apr 2016 20:30 in インド科学技術 by Yoko Deshmukh
まさにインド宇宙開発、技術開発、そしてものづくりの原点、「持たないから作る」の集大成にして最大の偉業です。
インド宇宙研究機関(भारतीय अन्तरिक्ष अनुसन्धान सङ्गठन、Indian Space Research Organisation:ISRO)は28日、国産開発の衛星測位システムで、アメリカにおけるGPS(全地球測位システム)に相当する、地域航法衛星システム(Indian Regional Navigation Satellite System:IRNSS)の、全7衛星すべての打ち上げに成功した。
Isro's final navigation satellite blasts off from Sriharikota to give India its own GPS
システムを構成する全7基の人口衛星群のうち、最後に残ったIRNSS1Gを打ち上げ成功により、この画期的なミッションが完了した。
IRNSS1Gは今後1カ月で運用可能となる見込みで、今後IRNSSは災害管理や車両追跡などの地上(道路)や海上交通へのナビゲーションの提供、登山者や旅行者の利用などのサービス提供に用いられる。
打ち上げ成功を受け、ナレンドラ・モディ首相も自身のツイッターを通じて直接、科学者らを賞賛した。
衛星はISROの極軌道衛星打ち上げ用ロケット(Polar Satellite Launch Vehicle:PSLVC33)によって午後12時50分、タミル・ナードゥ州の州都チェンナイから110キロの位置にあるサティシュ・ダーワン(Satish Dhawan)宇宙センターの発射台から打ち上げられ、34回連続の成功により、PSLVの信頼性を改めて、世に知らしめた。
7個の衛星から成るIRNSSは、米国のGPSと同等の高いナビゲーション精度で位置情報を提供できるようになるとしている。
インドはGPSへのアクセスが保証されず、独自開発の衛星測位システムの開発を急いできた。
ISROは本日のミッションを目的として、より造りが堅牢で、初動推力が大きいことが特徴の、固体ストラップオンモーター6台を備えたPSLVXL系ロケットを使用した。
XL系ロケットは、火星探査機ミッション「チャンドラヤーン(चन्द्रयान:Chandrayaan)1」のASTROSATほか、6基のIRNSS衛星に用いられている。
IRNSSのミッション寿命は12年とされている。
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Yoko Deshmukh
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インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
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