8月10日付け日経新聞電子版（ハリス氏、高所得集団インド系の強み 10年で人口1.5倍）の記事によると、インド系アメリカ人の人口は440万人にのぼり、アジア系で最大規模の有権者となっている。

そのインド系アメリカ人は一般的に民主党を支持する傾向にあるが、インド系アメリカ人意識調査（Indian American Attitude Survey、IAAS）によると、民主党支持者と自認する回答者の割合は47％で、前回の調査が行われた2020年の56％から減少している、という結果を、「The Hindu」紙が伝えていた。

Indian Americans still back Democratic Party but their attachment has declined: Survey

一方、無党派と自認する人の割合（26％）は増加、共和党支持者と自認する人の割合は安定している（21％）。
民主党支持者の減少は無党派層における共和党支持者の増加によって相殺されていると著者らは述べているが、イデオロギー的に左派と自認する人の総数は2020年以降増加している。

YouGovとの提携によりオンラインで実施され、2024年9月18日から10月15日の間に714人の米国市民であるインド系アメリカ人の回答者を対象に実施された、この調査および付随する報告書はカーネギー国際平和財団（Carnegie Endowment for International Peace、CEIP）によって発行された。
誤差の範囲はプラスマイナス3.7%だった。

調査によると、インド系アメリカ人有権者の過半数（60%）が、現米副大統領で民主党大統領候補のカマラ・ハリス（Kamala Harris）氏に投票する予定である一方、3分の1弱（32%）が共和党候補のドナルド・トランプ前大統領に投票する予定としている。

そして複数の世論調査と同様、インド系アメリカ人女性（67%）は男性（53%）よりもハリス氏に投票する予定としているのに対し、インド系アメリカ人男性（39%）は女性（22%）よりもトランプ氏に投票する予定とするなど、両候補への支持には男女格差があり、特に若年層の女性はハリス氏を支持し、男性はトランプ氏を支持する傾向にある。

報告書によると、回答者はインド系アメリカ人の共和党員を好ましくないと評価している。
具体的には元大統領候補として、パンジャーブ系移民二世であるニッキ・ヘイリー（Nikki Haley）氏、タミル系移民二世であるヴィヴェーク・ラーマスワミー（Vivek Ramaswamy）氏、そしてテルグ系移民二世での娘でトランプ氏の副大統領候補J・D・ヴァンス（J.D. Vance）氏の妻であるウーシャ・ヴァンス（Usha Vance）氏である。

データによると、共和党がインド系アメリカ人から比較的支持を得ていないのは、「少数派に対する不寛容さ」など、共和党の政策がインド系アメリカ人の価値観と一致していないためである。

また民主党を支持しない人々は、その理由として不法移民に甘い（27％）、党が左翼的すぎる（17％）、党の経済政策の方向性が誤っている（15％）、党がアイデンティティ政治に重点を置きすぎている（14％）などを挙げた。

米大統領選に立候補した初のインド系女性であるハリス氏に対する意見については、圧倒的多数（72％）の回答者が、ハリス氏自身の権利を理由に投票する予定だと答えた一方、23％はトランプ氏に対抗する票として投票すると答えた。
ハリス氏がインド系アメリカ人であるという理由で投票すると答えたのはわずか7％だった。

回答者の約4分の1（26%）は、ハリス氏がリベラルまたは進歩的な意見を持っているため投票すると答えた。
一方、13%は、ハリス氏が米国とインドの関係を強化することを期待して投票するつもりだと答えた。

なお共和党候補としてのヘイリー氏を支持すると答えた回答者の半数強（51%）は、トランプ氏よりも有能な大統領になると思ったため支持すると答えた。
3分の1（33%）は、トランプ氏ほど政策が極端ではないため、好ましい候補であると答えた。
ヘイリー氏の（インド系の）出自を理由に支持すると答えた回答者はわずか6%だった。

世論調査によるとインド系アメリカ人は、一般のアメリカ人と同様、インフレと物価、そして雇用と経済を最も懸念している。
13%が中絶問題が重要な選挙課題であると答え、これに移民と医療が続く。
共和党支持のインド系アメリカ人は、民主党支持者よりも経済状況についてかなり懸念している。
インド系アメリカ人の民主党支持者の方が、共和党支持者よりも気候変動について懸念している割合が高い。

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