ゴミが宝に:ムンバイの大学を中心にリサイクル気運が急上昇

 

Posted on 30 Mar 2016 23:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

平気でゴミのポイ捨てどころか、窓から真っ赤なパーンの色に染まった唾を吐いて涼しい顔をしている奴が、まだまだ大手を振っているインド。このような動きが片隅にでも見られることは、希望のともしびです。



*Photo from The Better India

ムンバイで、毎日100キログラムあまり発生するゴミをすべてリサイクルすることに成功している総合教育機関がある。
The Better Indiaが伝えた。

This Mumbai College Produces 100 Kg Waste Everyday. But Doesn’t Send Any of It to the Landfill!

最近ムンバイのデオナール(Deonar)の廃棄物埋め立て場で発生した、大規模な火災をきっかけとした危機感が、災害現場から非常に近い立地にある大学、カレッジ、スポーツ専門学校など、4エーカーの面積に2つのキャンパスを持つヴィヴェーカナンド・エデュケーション・ソサエティ(Vivekanand Education Society)大学関係者を動かし、持続可能な廃棄物のリサイクル方法を考案、実践している。

毎日発生する100キロの廃棄物のうち、落ち葉や枯れ枝、また若干のガラスや繊維、紙、プラスチックなどの乾燥ゴミもあるが、ほとんどは食堂などから出た生ゴミが占めている。
これらはキャンパス内2カ所にある、幅1.2メートル、長さ1.8メートルのコンポストに収められ、堆肥となる。
毎月1.8トンの生ゴミが、130キロの堆肥に生まれ変わり、キャンパス内の樹木や草花を潤している。

使い終えた電池や電子機器などの電子廃棄物は、年2回スクラップ業者に託され、得られた資金をキャンパス内の緑化に利用している。
一連の活動は、廃棄物削減のための活動を専門に行う非政府組織(NGO)「Stree Mukti Sanghatna」が担っている。

乾燥ゴミも同組織が8グループに分別し、最大限リサイクルに活用している。

山火事の発生したデオナール埋め立て場周辺のチェンブール(Chembur)地区は、長年廃棄物から発生する有害な化学物質についても指摘されてきた。
「大学が未来のムンバイの環境を守るために率先して行動を始めた。今では学生や教授、学長も活動に加わって、生ゴミをきちんと堆肥に分解できるよう、廃棄する段階で分別するなどの協力をしている」NGO団体の代表。

ムンバイではこのほかにも、大学などの大規模教育機関が、同NGOと協力して廃棄物処理問題に取り組み始めている。
たとえばタタ社会科学大学(Tata Institute of Social Sciences)では、生ゴミからバイオガスを生成し、燃料として利用する取り組みを始め、実際にLPGガス4トン分に相当する燃料を得た。

NGO「Stree Mukti Sanghatana」では、屑拾いで日銭を稼ぐことしかできなかった女性たちに、適切な職業訓練を施して自立を支援する試みも行っている。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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