日本の若きアーティストらが貧しい村に集結、校舎をキャンバスとする一大アート・フェスティバル
Posted on 29 Mar 2016 23:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh
動画の中で見た、アーティストたち、ボランティアたち、そして村の人たちの表情が、頭から離れません。
*The photo from The Better India
本日付の「The Better India」で、日本とインドのアーティストが合同で、主にマハーラーシュトラ州やビハール州の貧しい村を訪れ、小学校の校舎をカンバスに、3週間の滞在期間に、地元の人たちと協力して見事なウォールアートを描いてみせる「ウォールアート・フェスティバル(Wall Art Festival)」について紹介しており、その活動をほんの少しだが、調べてみた。
まずは、ぜひThe Better Indiaの記事で掲載されている、一連の目を見張るアートの写真をご覧いただきたい。
Artists from India and Japan Transform the Walls of a Bihar School into Stunning Exhibits of Art
そして、ここが活動母体、「ウォールアート・フェスティバル」のホームページだ。
Wall Art Festibal
このフェスティバルの主旨は、日本をはじめインドで活躍するアーティストやボランティアたち、いわゆる外部から来た人たち数十名が、建物という大きなカンバスを前にし、まとまった制作期間を村で過ごしながら、子供たちを中心とした村の人たちと交流し、貧困や教育、雇用といった、インドが抱える問題について一緒に考えていこうというもの。
わたしは以前、このフェスティバルについて、ムンバイ駐在経験のある方から、駐在期間中は毎年参加されていたとして、少しお話を伺っていたことがあったが、これほどの規模と、これほどの感動的なイベントであったことは、お恥ずかしいことながら今まで知らずにいた。
「The Better India」の記事によれば、この「ウォールアート・フェスティバル」は2006年に、東京学芸大学の学生らによるイニシアチブで始まったという。
当時の学生ら50名ほどが、アルバイトなどで貯めたお金を出し合って、ビハール州のブッダ悟りの地、ボードガヤー近くにあるスジャータ(Sujata)村に、どんなに貧しい家庭の子供でも通える「ニランジャナ小学校(Niranjana Public Welfare School)」を建てた。
この学校は、2010年までに幼稚園から小学校高学年にあたる7年(Class 7)までの児童、およそ400名が学ぶ学校に成長した。
「ウォールアート・フェスティバル」は、こうして建てられた学校への継続的な支援と同時に、インドの農村が抱える問題を世界へ発信することを目的に開催されている。
ホームページを見ると、国際交流基金(Japan Foundation)助成事業となり、日本企業なども多数協賛する大イベントとして成長した「ウォールアート・フェスティバル」は今年も、マハーラーシュトラ州はムンバイから北に120キロほどのアラビア海沿いの町、ダハヌ(Dahanu)県ガンジャード(Ganjad)村にあるカダキーバダ小学校で、2月27日から29日まで開催されていたようだ。
「ワルリ(Warli)」というマハーラーシュトラ州伝統絵画のアーティストも参加している。
いろいろな人たちが、さまざまなアイデアで、インドと関わり、インドで何かをしようとしていることを改めて知り、目の覚める思いだ。
さらに「Wall Art Festival」ホームページにあった、以下の活動紹介動画を観ていると、参加しているアーティスト、ボランティアはもちろん、わたしが見たことのないような、村の人たちの笑顔や満ち足りた表情であふれていたことが、衝撃的ですらあった。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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