インド版キンドル「Unlimited」で無料になる「あの本」

 

Posted on 25 Mar 2016 23:00 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh

たとえば、あの手塚治虫さん作「ブラック・ジャック」英語版も、アメリカとインドでは同じぐらいの値段になっていますが、まず近所の「CROSSWORD」などの書店では手に入らない本なので、ありがたく楽しんでいます。



アマゾン(Amazon)の電子書籍リーダー、「キンドル(Kindle)」を手放せない生活を楽しんでいる。
このために、日本、インド、アメリカと、登録する電子メールアドレスを変えて、3つのアカウントを作った。

日本のアカウントは、もちろん日本語の書籍をダウンロードするため、アメリカのアカウントは、最新本を物色するためと、インド版キンドル・ストア(またはアマゾン)では売っていない&買えない本を入手するためだ。

そしてインド版キンドル・ストアでは、信じられないほどの安値で電子書籍を販売していることが多くある。
たとえば近年話題になった分厚い(というかボリュームの大きい)経済本、トマ・ピケティ(Thomas Piketty)著の「21世紀の資本(Capital in the Twenty-First Century)」英訳版は、インドのキンドル・ストア(本日時点で704ルピー、およそ1,190円)では、アメリカのキンドル・ストア(同36.99ドル、およそ4,180円)での三分の一未満の価格で入手できてしまう。
全世界で話題のベストセラーは、だいたい平均200~400(およそ340~670円)ルピーで、気軽に読める価格になる。

もちろん例外もあって、最近ダウンロードした「Cockpit Confidential: Everything You Need to Know About Air Travel」という本は、アマゾン・インディアでも、アマゾンUSでも、価格はほぼ同じだった。
冒頭の「ブラック・ジャック」英語版も、安くはないものの、入手できるだけで幸せだ。

これは英語を読める人口が世界有数の英語大国、インドならではの恩恵と言えるだろう。
その代わり、キンドル端末の中で最もおすすめの「Kindle Paperwhite」の価格が、日本(キャンペーン情報「なし」のWi-Fiモデルで13,480円)で購入するよりもインドは割高(同10,999ルピー、本日時点レートで18,594円)となる。

Kindle Unlimited」の利用料も、インドなら破格だ。
「Kindle Unlimited」とは、月額利用料を支払えば、キンドル指定の書籍に限って無料でダウンロードでき、無期限に読むことができるというサービス。

無料でダウンロードできるのは最大10冊まで、11冊目からは、すでにダウンロードした書籍のうち読み終えたものなどをキンドルに返却すれば、新たな無料ダウンロードが可能、という仕組みで、まるで電子図書館のよう。
しかも日本の「アマゾン・プライム」が対象としている無料本のように、キンドル端末の購入を要求されることもなく、「Kindle」アプリをインストールした、あらゆるデバイスから利用できる。

アマゾンUSだと月額9.99ドルもかかる利用料だが、アマゾン・インディアでは年額として1,799ルピー(およそ3,000円)を一括で支払うと、月額あたり150ルピー(およそ253円)未満、毎月支払うことにしても199ルピー(およそ340円)で利用できてしまう。

ただしキンドル指定の本しか無料にならないので、どんな書籍があるのかを物色していたら、なんと世界で最も有名なガイドブック、「Lonely Planet」の電子版が、ほとんどの国バージョンで対象となっているではないか。
「Lonely Planet」は、インドのキンドル・ストアでも1,500ルピー近くするので、たった1冊でほぼ年額利用料の元が取れてしまう。
しかも、ガイドブックは内容が年々新しくなるものだから、古くなったものは返却して新しいバージョンをダウンロードできるほうがうれしい。

ただし利用規約によれば、対象書籍の追加や削除も予告なくあり得るようなので、いつまで無料でアクセスできるかは分からない。
ちなみにアマゾンUSでは、「Lonely Planet」は「Unlimited」対象ではなかった。

とはいえインド版「Unlimited」、これだけでも契約する価値はあるかも!?
近日中に、お試しで1カ月間の契約をして、「Unlimited」契約者であれば無料で読めるハウツー本を片手に研究しつつ、再び使用感をレポートしたい。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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