羊肉を好む「生粋プネー人」のヒンドゥー教徒たち
Posted on 09 Apr 2023 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh
菜食主義にしろ、この羊肉消費にしろ、その時代ごとの権力者たちの都合で押し付けられてきたんだな。
「Indian Express」が、羊肉だけを食べることが許されているプネー土着のヒンドゥー教徒について紹介しており、まったく知らなかったので興味深く読んだ。
What’s ‘Bolhai Mutton’? Here’s a brief explainer on this Pune mystery!
夫に尋ねてみたところ、プネー郊外にある寺院「Bolhai Mata」を信仰する人々を指し、特に「生粋のプネー民」を自称する人々の間で、よく話題に上っていると言う
ここでの羊肉(Mutton)は、寺院の名前を取って「Bolhai Che Mutton」と呼ばれている。
プネーを拠点とする食肉販売業者によれば、古来この地に住む「Bolhai Mata」信者の9割は、「山羊肉を食べると皮膚病になる」という迷信を信じ、羊肉だけを食べる習慣がある。
記事によればこの寺院には、山羊肉を口にした「たたり」と信じ込んでいる人々を含む、特に皮膚病に悩む信者が参拝に訪れ、寺院裏の池で沐浴をしたのちに、生贄として捧げた羊を食べ、治癒を祈る習慣があるという。
一方、中には「神は肉の供物を受け取らない」として、「プーラン・ポリ(Puran Poli)」というマハーラーシュトラ州名物の餡入りパラータこそ正しいナイヴェーディヤ(naivedya、供物)と主張する人々も一定数いるようだ。
この地の歴史に詳しいアムバダース・ビョーサレ(Ambadas Bhosale)氏の話では、羊肉を食べる信仰の背景には経済的な側面があったと考えられる。
「この地域には、羊飼いを生業としてきた『ダンガル(Dhangar)』部族が多く住んでいたが、今も昔も、(プネー周辺では)羊よりも山羊の肉の方が人々に好まれてきたことから、羊肉の地位を向上する目的で生み出された習慣ではないか」と語っている。
ビョーサレ氏によると、寺院の起源について地元で語り継がれている伝説によれば、この寺院に祀られている女神(Mata)は、ランカー(Lanka)の王ラーヴァナ(Ravana)に誘拐されそうになったパールヴァティー(Parvati)女神であり、抵抗するため攻撃的な姿に化身し、ラーヴァナを石にした後に女神が着地した場所であると信じられている。
またビョーサレ氏が現地の高齢者などから聞き取りを行った、女神の名の由来については、「かつてラーマ(Rama)神をだませるかどうか、シャンカール(Shankar)神と賭けをしたパールヴァティー女神が、シータ(Sita)の姿に化身してラーマのもとに行くと、ラーマはすぐにパールヴァティーと見破り、「Bol Aai(マラーティー語で『母さんだろ』)」と言ったことが起源になっていると言い伝えられている。
寺院はプネー県全域から信者を集めている。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
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